きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ちょっと寂しい閉幕戦

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今春のドバイシーマクラシックを勝っているアガ・ハーン殿下の愛馬ドルニヤが引退することになりました。ジャパンCに登録があり、スミヨン騎手とともに東京で勇姿が見られると思っていた矢先のリタイアは残念でなりません。そんなこともあって今年最後の大一番チャンピオンSはちょっと物足りない顔ぶれになりそうです。今年の文句ないチャンピオンホースである凱旋門賞馬ゴールデンホルンは今月末のBCターフをラストランと決めたようで、ここは同じジョン・ゴスデン厩舎のジャックホッブスに主役の座を譲るようです。天皇賞秋に登録のあるフリーイーグルは使い込めない体質なのかスキップするようです。人気はそのジャックホッブスと、凱旋門賞6着は展開のアヤでこの馬の力ではないとオブライエン調教師が考えているフシがある牝馬ファウンドが二分しているようです。3番手以下はG1では力不足と思われている面々で中距離10ハロン戦の最高峰を自負するアスコット自慢のビッグレースも寂しい光景でシーズンの幕を下ろすことになりそうです。

代わりにファンの注目を集めているのがマイルの王座決定戦クイーンエリザベス2世S。G1・4連発を含めて8連勝と無人の野を行くフランスのソロウが登場し、ロイヤルアスコット・セントジェームズパレスS以来ファンをジリジリさせてきたグレンイーグルスがやっと重い腰を上げるからです。仕上がり途上のデビュー戦と1着から降着になったG1ジャンリュックラガルデール賞以外は負けていない馬です。この3歳絶対チャンピオンはソロウとの直接対決が望まれたサセックスSを重馬場を理由に出走回避し、以降も直前スクラッチの連続でファンをヤキモキさせてきた経緯があります。馬にも相当ストレスが溜まったのでしょう。愛チャンピオンS回避時にはすべてのレースが終わった後に本馬場を全力疾走して、ガス抜きとファンサービスのデモンストレーションを行っています。開催中の競馬場で公開調教はオシャレかもしれません。
兎にも角にも、今年のヨーロッパ競馬はこれで大円団。舞台は昨日お伝えした南半球、大西洋を超えたアメリカ・キーンランドのブリーダーカップシリーズ、そして極東の日本、香港へと移ります。こちらはこれからがクライマックス、目が離せません。

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