きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

同日行われた2つの伝説レース

ようこそいらっしゃいませ。

今週から中央競馬の舞台は東京競馬場と京都競馬場へ移ります。今週は土・日・月曜と3日開催です。日曜は東京競馬場で毎日王冠、月曜祝日は京都競馬場で京都大賞典と2つのG2レースが行われます。

毎日王冠に京都大賞典というと、もう古くなった想い出でですが1998年の10月11日がいまでも強く印象に残っています。毎日王冠では3頭のG1馬が出走。その年に天性のスピード能力を開花させて金鯱賞では菊花賞馬を含めた出走馬を大差でぶっちぎり次走の宝塚記念でも逃げ切って初のG1制覇、連戦連勝で快進撃をつづけるサイレンススズカに、圧巻のパフォーマンスでNHKマイルカップを制覇したエルコンドルパサー、朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯フューチュリティステークス)をレコードで勝ちマルゼンスキーの再来と称されたグラスワンダーと2頭の無敗の外国産馬が激突することになり、わずか9頭立てながら東京競馬場には13万人の観衆が詰めかけました。

レースはサイレンススズカが逃げ切って勝ち、4歳(当時3歳)のエルコンドルパサー、グラスワンダーに影をも踏ませずの結果だったのですが、レースが終わって歓声やざわつき、入り交じるため息とともにレース後の余韻にひたる間もなくターフビジョンに映しだされた京都大賞典がこれまた凄いメンバーでした。出走馬は7頭と少頭数ながらもメジロブライトにシルクジャスティスのG1馬2頭にステイゴールドの古馬世代と同年の皐月賞馬セイウンスカイとの激突。セイウンスカイが古馬G1馬を20馬身ちかく差をつけて大逃げをうち、レースは目を離せぬ攻防となりました。最後は脅威の二枚腰でセイウンスカイが古馬を振り切り優勝。東西両レースが終わり、レースの結果もさることながら、その日の情景やざわつきがどこかいつまでも記憶にとどまっていそうな、そんな日になったことをいまでも覚えています。

今年の毎日王冠には、昨年の皐月賞馬イスラボニータに、海外遠征帰りの天皇賞(秋)馬スピルバーグ、マイルチャンピオンシップ馬ダノンシャーク、今年春にジョージライダーステークスを勝ったリアルインパクト、8戦7勝でさらなる成長に期待がかかるエイシンヒカリ、3歳馬アンビシャスらが出走。京都大賞典には今年宝塚記念で初のG1タイトルを手にしたラブリーデイに昨年のダービー馬ワンアンドオンリーが激突します。ぜひ秋G1へとつながる物語を魅せてください。

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