きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

トレヴ三連覇ならず

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今年の凱旋門賞は、デットーリ騎乗の3歳牡馬ゴールデンホーンが道中2番手追走から抜け出して王者に輝き、トレヴ大団円の夢を砕いて幕を下ろしました。2着にはフリントシャー、3着はニューベイが入り、史上初の凱旋門賞三連覇を目指したトレヴは中団ポジションから追い上げたものの届かず4着に終わりました。未勝利で迎えた昨年とは違い、今年は3戦3勝。前走ヴェルメイユ賞も2着に6馬身差をつける圧勝劇でしたから、多くのファンが歴史的偉業を夢見たことでしょう。当日のオッズも2.0倍にまでに集中し、直線で外から前を捉えにかかったときは大歓声に包まれました。敗れたトレヴはこのレースを最後に引退し繁殖入りの道をと伝えられています。1歳時は2万2000ユーロだったヒロインの物語は、第2幕へと進むようです。

勝ったゴールデンホーンは今回の凱旋門賞でG1は4つ目となりました。ゴールデンホーンは父ケープクロスになり、このケープクロスは2009年に凱旋門賞を勝ったシーザスターズをはじめ、2004年・2006年のヨーロッパ年度代表馬など数々のタイトルを手にしたウィジャボードや、日本ではブルードメイサイヤーとしてロジユニヴァースが2009年にダービーを勝つなど、世界各国に名馬を送り出しています。そのケープクロスは現役時代はドバイに移籍するも勝利をあげれず、G1はイギリスに戻ってブービー人気で勝利したロッキンジステークスのみの馬です。その血統からこうして産駒2頭目の凱旋門賞制覇となるゴールデンホーンのような馬が飛び出すのですから驚きです。
そのゴールデンホーンは、次走は今月31日にキーンランドで行われるブリーダーズCターフへと向かうようです。これがラストランとなり、来年から英ニューマーケットのダルハムホールスタッドで種牡馬入りするようです。

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