きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

エンパイアメーカー、米国帰還

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北海道・静内種馬場で繋養している種牡馬エンパイアメーカーが、アメリカのゲインズウェイファームに移籍することになったようです。エンパイアメーカーは3歳時にフロリダダービーで2着馬に9馬身3/4差をつけて圧勝。ウッドメモリアルステークスでG1・2勝目をあげ、ケンタッキーダービーこそ2着に敗れたもののベルモントステークスを勝ち3つのG1タイトルを手にして、8戦4勝で引退し、ケンタッキー州のジュドモントファームで種牡馬入りした馬です。初年度産駒のカントリースターが2歳牝馬G1のアルシバイアディーズステークスを勝つなど活躍馬を送りだしたエンパイアメーカーは、日本軽種馬協会によって購入され2010年に日本にやって来ます。牝系に入っているサンデーサイレンスの血との相性にも期待され、多くのサンデー系の牝馬と交配されます。ちょうど2011年の暮れから、エンパイアメーカー米国種牡馬時代に父サンデーサイレンスの血を持つダンスパートーナーとの間に誕生させた仔フェデラリストが連勝。翌年には中山金杯、中山記念と連勝し、さらには3歳馬イジゲンがダート重賞の武蔵野ステークスを勝ったこともあり、エンパイアメーカーへ寄せられる期待はさらに高まっていきました。

初年度産駒にあたる現3歳世代からはワンダーアツレッタが今年春に皐月賞に出走。先月の2歳新馬戦では母ダンスインザムードの血を持つカイザーバルが2着に4馬身差をつけてデビュー戦を飾るなど、日本での2世代目にあたる2歳馬は6頭が勝ち上がっています。ただ当初寄せられていた期待感は徐々に薄れ、年々種付け数も減少。その反面、父系にエンパイアメーカーの血を持つアメリカンファラオが今年37年ぶりにアメリカクラシック三冠馬に輝くなど、米国での需要が高まり、今回ゲインズウェイファームへの移籍にもつながったようです。

と考えると、エンパイアメーカーの血を持つ日本馬の価値は、日本国内だけでは決められないものだとつくづく感じます。

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