きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

トレヴは三度常識を超える

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日本馬の姿がないのは残念ですが、凱旋門賞の出走馬が決まりました。18頭ですか。揃いましたね。栄えある大一番の舞台とあって、毎年それなりの頭数が出てきて少頭数になることは余りないレースですが、打倒トレヴにこれだけの馬が名乗りを上げたのには、ちょっとビックリです。ゴールデンホルンとジャックホッブスのジョン・ゴスデン厩舎勢のように、それぞれが良条件、道悪得意と能力全開に注文のつく馬もいて、馬場状態によっては回避を選択する馬も出てくるのでしょうが、壮観といえば壮観な光景です。

ブックメーカーオッズ1倍台のトレヴの評判が高まるばかりです。背筋に冷たいものが走るほどの凄みを見せつけた一昨年、並の馬なら出走も危うかった絶不調を乗り越えて連覇戴冠した昨年、とにかく常識がまったく通用しない馬です。こういう馬と同じ時代に生きられたのは競馬好きとしては幸せです。絶好調の上に円熟味を増した今度はどんなレースを見せてくれるのでしょうか。これだけでも今年の凱旋門賞の価値があると思います。

3連覇阻止の一番手のはずだったゴールデンホルンは、無双の追い込みで強かったダービー以降は、なぜか先行して味のないレースを繰り返しています。デットーリ騎手も今度は肝を据えて本来の末脚に賭ける手綱捌きを見せるでしょうね。トレヴのジャネル騎手ともどもレジェンドの領域に君臨する両ベテランジョッキーの追い比べが実現すれば、歴史に残る名勝負になるでしょうね。このレース7勝と凱旋門賞マイスターである名匠アンドレ・ファーブル調教師のニューベイが人気を上げています。勝手知ったるロンシャンで一発があるのでしょうか。エイダン・オブライエン厩舎の秘密兵器ファウンドは、本来の姿になかった今季ですが復調を伝えられています。軽量が魅力の3歳牝馬です。他に伏兵も多く、ロンシャンの直線は例年に増して熱くヒートアップしそうです。

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