きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

さぁどうなる菊花賞

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菊花賞トライアルの神戸新聞杯が終わりました。勝ったのは3番人気のリアファルで、スタートから先頭に立ち逃げて馬群を引っ張り、最後の直線ではさらにひと伸びしてそのまま逃げ切っての勝利でした。骨折明けながらも1番人気に支持されていたリアルスティールは、好スタートから道中中団でレースを進め直線残り200m手前では馬群を割いて逃げるリアファルに迫ろうとするも届かず2着の結果でした。1000mの通過が1分2秒4とマイペースで逃げれたリアファルに最後上がり34秒1の末脚を使われたのですから、いくらリアルスティールといえど前を捉えられずは致し方ないといったところでした。

セントライト記念、神戸新聞杯と菊花賞トライアルはいずれも逃げ先行馬の勝利となりました。キタサンブラックの場合は、逃げるミュゼエイリアンのすぐ後ろにつけて4コーナーで交わして先頭に立ち、そのまま押し切る形でのトライアル優勝でした。対してリアファルはスタートから前半の3ハロンを36秒5ととばして先頭に立ち、あとはゆっくりとスタミナを温存しながらのレースで最後にさらにもうひと伸びといったレース運びでした。リアファルは前走初めての芝でのレースとなったマレーシアカップでも同様の走りで、4コーナーでドッと後続馬が押し寄せいったん先手を奪われるも直線でさらに末脚を伸ばして後続をねじ伏せる強い競馬を見せていました。

リアファルは父ゼンノロブロイ、母父エルコンドルパサーで、半兄にはジャパンダートダービーを勝ったクリソライトがいる血統です。母クリソプレーズの全弟アロンダイトは2006年のジャパンカップダートを勝ちJRA賞最優秀ダートホースにも選ばれているほどで、春までリアファル自身もダートを走っていた馬です。伏竜ステークス、兵庫チャンピオンシップと、のちにジャパンダートダービー2着、レパードステークスを勝つクロスクリーガーのいずれも2着と結果を出しています。しかし、兵庫チャンピオンシップでは逃げるクロスクリーガーに差をつけられてのゴールでしたから、ダート路線で頂点をとるにはさらにもう一段成長が必要な状況でもありました。

そのリアファルは芝への路線チェンジによって、ダート以上の結果を出し、さらに菊花賞本番への存在感を高めました。菊花賞まで残り1ヵ月。次代を担う頼もしい王者が誕生しそうな予感が日に日に強まっていきそうです。

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