きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

不出走馬のその血を受け継いで

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土曜中山競馬場5Rで行われた2歳新馬戦で、6番人気のアポロジョージアが直線で逃げるキングハート、マイエクトミューズを差し切ってデビュー勝ちを収めました。アポロジョージアは父ロッコウオロシ、母父はコマンダーインチーフの血統になります。父のロッコウオロシの名を初めて目にするファンも多いのではないでしょうか。

ロッコウオロシは凱旋門賞にキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスを勝ったハリケーンランの初年度産駒になり、フロリダで調教されその後日本へ輸入。デビュー前から世代トップクラスと期待を集めます。しかし、2歳のデビュー直前に全治1年以上の骨折が判明。デビューを断念し3歳の若さで種牡馬として第2の道を歩むことになった馬でした。不出走の種牡馬入りはあまり例がなく、それだけ実力未知数のロッコウオロシへ期待が高かったことが伺わされます。そのロッコウオロシですが、初年度産駒が昨年デビューするも併用停止となり種牡馬を引退しています。JRAでの産駒の勝利は今回のアポロジョージアが初となりました。さらなる成長を遂げ、紆余曲折の道を歩み実力を見れずに引退となった父の無念をぜひ今後のレースで晴らしていってください。

日曜は中山競馬場でオールカマー、阪神競馬場で神戸新聞杯が行われます。大望への照準を計り、激しく火花散る前哨戦を勝ち上がるのはどの馬でしょうか。

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