きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

鞍上鞍下のヒーロー群像

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ヨーロッパは10月上旬の凱旋門賞ウィークエンド、同中旬のイギリス・チャンピオンズデーをクライマックスに今シーズンの幕を下ろします。その閉幕ギリギリ、今週末のニューマーケット開催から、怪我で療養中だった名手ライアン・ムーア騎手が鞍上に戻ってくるようです。今季の復活は絶望視されてファンをガッカリさせていたのですが、リハビリなどにも頑張ったのでしょうね。世界の競馬シーンに彼の姿は欠かせませんから、まずは一安心、良かったです。

シーズン終盤の朗報でしたが、逆に新シーズンの幕を開けるのが南半球の競馬で、オーストラリアでは11月初旬の国民的イベント・メルボルンCが高額賞金をインセンティヴに北半球各国の強豪を募れば、暮れの香港国際G1デーも知名度が高く、お馴染みの人気馬たちが参戦を検討しています。アイルランドの泣く子も黙る超名門クールモア軍団=エイダン・オブライエン厩舎もオーストラリア遠征に意欲的で、有力馬をラインナップしているようです。アイルランドとイギリスの両セントレジャーのチャンピオンホースがその飛車角といった格好でしょうか。愛のオーダーオブセントジョージ、英のボーディビーチがその馬で、堅実馬キングフィッシャーも加えて、なかなかのメンバーを揃えてきました。日本から参戦するフェームゲーム、ホッコーブレーヴには手強いライバルになりそうです。オーストラリアなどオセアニア地区はクールモアにとって、最重要のマーケットの一つですから、こうした意欲的なキャンペーンも当然といえば当然なのですが。

愛セントレジャーのレース中に、サッカー・イングランド代表のマイケル・オーウェン選手の愛馬ブラウンパンサーを失ったばかりの欧州長距離界ですが、新ヒーローの誕生にも事の他熱心なようです。鞍上のヒーローであるライアン・ムーア騎手の復活、鞍下のニューヒーロー候補たち、やはり競馬にはヒーロー、ヒロインの存在が欠かせませんね。

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