きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

凱旋門賞の伏兵馬たち

ようこそいらっしゃいませ。

今年はトレヴ断然ムードの凱旋門賞になりそうですが、ここまでの伏兵馬たちの状況を整理しておきたいと思います。
まずはゴールデンホルンから。英ダービーで同世代に引導を渡し、古馬相手のエクリプスSを無敗のまま勝った時点では、この馬どこまで強くなるんだ、と成長を期待させたものです。ところがインターナショナルSで曲者牝馬アラビアンクイーンの逃げを捉えきれず、愛チャンピオンSでも直線で大きくよれて後述のフリーイーグルなどに迷惑をかけてしまいました。父がマイラーのケープクロスで距離に問題があるのか、それともいささか早熟だったのか。馬券ファンは取捨に悩まさせれます。

ニューベイは凱旋門賞7勝とロンシャンを自分の庭にするアンドレ・ファーブル調教師の秘密兵器。向こうには『世の中に確実なものは一に死、二に税金、三にファーブル』という競馬格言があるそうです。ファンの信頼は絶大です。昨年2着の僚馬フリントシャーは硬い馬場が得意だそうですが、今年のロンシャンは重馬場必至と観測され、その点がどうなんでしょうか?

ジャックホブスは同厩ホルンの影に隠れて地味な存在ですが、そのホルン以外にはまだ負けていません。前走はわざわざAWコースを選んで格下相手のG3で楽勝してきました。“超教代わり”だったのでしょうか。名匠ジョン・ゴスデン調教師になんだか秘策がありそうです。
ファウンドは牝馬ながら今やクールモア勢ののエース格。今年は軍団の牡馬勢が壊滅状態で、この馬のダービー挑戦が真剣に検討されたほどです。個人的にもこの牝馬の潜在能力は相当だと2歳時から注目してきました。勝ち運のないところは気になりますが、斤量有利な3歳牝馬が名門軍団の威信を背負っての出陣です。リーディングサイヤー争いでドバウィに突っ走られているガリレオ産駒で、6年連続チャンピオンへ名誉挽回の一発があるのでしょうか。

人気を下げているフリーイーグルですが、前走の愛チャンピオンSでは直線でスタンドの長く伸びる影に驚いたゴールデンホルンが大きくよれて進路を塞がれるアクシデントに泣いています。ホルン降着でも勝ち負けに関係のない3着で到達順位に通りに確定したのですが悔やまれるレースでした。やや順調さを欠きますが、一級品の素質馬なのは確かです。
これ以外にもロンシャンには欠かせないアガ・ハーン殿下の緑色の勝負服とか、思いがけない馬が一世一代の激走をすることがあるのが凱旋門賞です。ゲートインが心待ちにされます。

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