きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週は中山競馬場で春の女王決定戦ヴィクトリアマイルへ向けた、中山牝馬ステークスが行われます。ハンデ頭は過去10年で掲示板に載ることすらかなわず、1番人気も苦戦、代わってふた桁人気馬が好走と、ファンの多くがつかみどころが難しい牝馬に翻弄され続けるレースになっています。

中山牝馬ステークスは、中山競馬場と友好関係にあるローレルパーク競馬場との親善を深めるために創設されたレースで、同競馬場はかつて世界の強豪が一同に集いワシントンDCインターナショナルが行われていた舞台でもあります。

ワシントンDCインターナショナルは、レース創設当時アメリカ合衆国唯一の国際招待競走で、高額な賞金のもと遠征費用、飼育費、滞在費なども資金援助し、冷戦中のソ連からも馬を招いて世界中の強豪を集めた招待レースで「競馬のオリンピック」とも称され注目を集めました。

日本馬へもワシントンDCインターナショナルから招待状が届き、過去9回に渡って遠征を試みています。レースの歴史には顕彰馬にも選出されたスピードシンボリに、レコードタイム5回芝ダートに1200から3000mと距離問わずに怪物ぶりを発揮したタケシバオーらが、日本からの期待を背負い走り抜けた蹄跡が記されています。

ブリーダーズカップが創設され有力馬の流れが変わったことも影響し、そのワシントンDCは1994年を最後に廃止されます。最後の優勝馬は当時5歳のパラダイスクリークで、その後来日しジャパンカップで2着後、日本で種牡馬になりました。

その血を受け継いだパワースポットが出走登録してきました。レースに出走するのなら、その血から歴史を感じたいと思います。

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