きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

スプリンターズSの蹄音

ようこそいらっしゃいませ。

月が替わると長かった夏競馬もようやくフィナーレ、待ちかねた秋の中山開催がそこまでやって来ています。このクライマックスを飾るG1スプリンターズSの海外からの登録馬がJRAから発表されています。春の高松宮記念を楽勝した香港のエアロヴェロシティの名前こそありませんが、なかなかのメンバーが顔を揃えていますね。香港など南半球はシーズンの替わり目なのですが、ヨーロッパはピークの盛り上がりを見せる時期ですから、果たして本当に来てくれるのか期待と不安が半々といったところでしょうか。

イギリスのリマートは3歳と若くスプリント界の新星と言って良い期待の上がり馬です。若いと言っても先日のG1ナンソープSでキャリア2戦の2歳牝馬アカプルコが古馬を向こうに回して見せ場たっぷりの2着に健闘しています。絶対スピードを競わせれば日本の常識では考えられないハイレベルな成熟度を示すのが海外のスプリンターです。リマートもデビュー以来5連勝でスターダムに乗ってきました。ロイヤルアスコットの新設G1コモンウェルスCでは、同じ3歳のチャンピオンホース・ムーハーラーの2着と素質の高さを披露しました。ヘイルトゥリーズンの異系血統タグラ産駒ですが、母父がジャパンCを制したシングスピールですから日本の馬場への適性が思いのほかありそうです。競走寿命の長いせん馬でもあり、これから4、5年はトップホースであり続ける可能性があり、覚えておいて損のない馬だろうと思います。

同じ3歳のトスカニーニは馬柱的には地味な存在ですが、2歳時のG1ナショナルSでマイル路線の断然の世代チャンピオン・グレンイーグルスに食い下がった銀星が光ります。4歳のラッキークリステールは2歳時のイキの良さが感じられない昨今でちょっと強調材料に欠ける気がしないでもありません。ここまでがヨーロッパ勢の簡単な勢力地図ですが、明日は不気味な香港勢をウォッチしてみたいと思います。

×