きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ジャングルポケットの血よ、ふたたび

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日曜、函館競馬場では函館記念が行われました。サマー2000シリーズ第2戦で16頭が出走。1番人気エアソミュール、2番人気マイネルミラノ、3番人気ダービーフィズ、4番人気デウスウルト、5番人気レッドレイヴンといずれも10倍を切るオッズで拮抗して上位人気を形成し、レーススタートとなりました。
レースはスタートから大外のマイネルミラノが先頭に立ち、1000m通過が58秒6と速いペースで後続を離して逃げて進みます。しかし直線に入り失速。ダービーフィズ、ハギノハイブリッドが代わって先頭に立ち、2頭の叩き合いはゴールまでもつれ込み、最後はアタマ差、ダービーフィズに軍配が上がりました。

ダービーフィズは父ジャングルポケット、母父サンデーサイレンスの血統です。全姉のアプリコットフィズは、クイーンカップ、クイーンステークスのタイトルホルダーで2010年の秋華賞でアパパネの3着に入り、また全兄のクレスコグランドは2011年の京都新聞杯を勝ち馬です。ダービーフィズは今年2勝してオープンに返り咲き、前走の目黒記念では2番人気の支持を集め6着に終わるも、今回待望の重賞初勝利となりました。
父ジャングルポケットは2001年のダービー馬で種牡馬入り後、トニービンの後継として期待を寄せられ、初年度産駒から重賞3連勝したフサイチホウオーやジャガーメイルにクィーンスプマンテのG1馬を送り出し、2世代目には阪神ジュベナイルフィリーズにオークスを勝ったトールポピーや菊花賞馬オウケンブルースリといったクラシックの中心をなす馬を誕生させます。またシャトル種牡馬として南半球でも繋養され、2009年にジャングルロケットがニュージーランドオークスを勝ち、産駒の海外G1初勝利を手にしています。
その後の産駒ではアヴェンチュラが2011年の秋華賞を勝ち、同じ年の秋にはトーセンジョーダンが1分56秒1の破格のタイムで天皇賞(秋)を制覇しています。昨年暮れには川崎競馬場でディアドムスが全日本2歳優駿を勝って2歳ダートの頂点に立ちました。

ただ中央でのG1勝利は2011年のアヴェンチュラ、トーセンジョーダン以降、空白がつづいています。多くいたジャングルポケットの血を持つ重賞レースでの活躍馬も徐々に減ってきました。函館記念を勝利したダービーフィズに、同じジャングルポケットを父に持つエアソミュールも今回人気にこそ応えられなかったものの57.5キロのトップハンデの中、後方から4着まで追い上げました。今年の函館記念は、ジャングルポケットの血が再びG1の舞台で輝くことを期待したくなるレース結果となりました。

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