きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

残された血の可能性を求めて

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土曜は福島競馬場では芝1200m、ダート1150mの新馬戦が行われました。
芝1200mで競われた2歳新馬戦では、7番人気のミリオンディスク産駒の牝馬デルマオカルが先手を奪ってそのままレースを引っ張り、最後は1番人気のラッキーポイントに半馬身差をつけ逃げ切り勝ちを収めました。
デルマオカルの父ミリオンディスクは、デビュー後故障による休養の影響で地方へ移籍し再び中央へ戻ってきた馬で、ダートを走り中央ではカペラステークスの重賞タイトルを獲得、地方交流重賞ではスプリント路線で常に上位に顔を出していた馬です。引退後に種牡馬入り。今年が初年度産駒のデビューとなります。
ただミリオンディスク自身、現役時代の重賞タイトルはカペラステークスと地方交流重賞の北海道スプリントカップくらいですから、種牡馬として寄せられる期待も少なく、今年中央で登録がある産駒の数はわずか2頭だけです。うちもう1頭のミリオンディスク産駒デルマジロキチもこの日函館の芝1200mでデビューし、こちらは7着の結果でした。

もう1鞍行われたダート1150mでの2歳新馬戦は、ソングオブウインド産駒の牡馬リネンソングが好ダッシュを決めてそのまま先頭に立ち、直線に入ってさらに加速して2着レアドロップに2馬身差をつけ快勝。こちらも逃げ切り勝ちでデビュー戦を飾りました。
ソングオブウインドは父エルコンドルパサー、母父サンデーサイレンスで、夏場を挟んで才能を開花し2006年の秋にレースレコードで菊花賞を手にした馬です。エルコンドルパサーのラストクロップで、次走香港ヴァーズを最後に引退して種牡馬入り。活躍馬は阪神ジュベナイルフィリーズで3着したライステラスくらいで、オープン入りする産駒をなかなか出せずに苦戦し、2014年を持って種牡馬を引退しています。残された血はわずか。血の可能性を高めるためにも、ぜひ次走も周囲の評価を覆す走りを魅せてください。

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