きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

一級品の末脚

ようこそいらっしゃいませ。

日曜東京競馬場では3歳ダート重賞ユニコーンステークスが行われました。
昨年は2歳頂点に輝いたアジアエクスプレスが芝から再びダートに戻り単勝1.3倍の支持で注目を集めたレースでしたが、今年はUAE帰りのゴールデンバローズが単勝1.5倍の圧倒的な人気を集めて昨年同様ダート界のヒーロー誕生への期待が先行する形でのレースとなりました。また今年のユニコーンステークスには白毛馬ブチコも出走。話題多きレースでした。

そんな中で勝ったのは2番人気のノンコノユメでした。
レースはブチコがスタート後にじわじわと先頭へ立ち馬群を引っ張る形で展開。人気のゴールデンバローズは中団に位置して、ノンコノユメはスタートで出遅れてしまい後方2番手の位置取りとなりました。
直線ではまだ先頭だったブチコでしたが、残り400mで失速。ノボバカラが先頭に立ち、ゴールデンバローズも中団から先頭へ向けて追い上げてきます。しかし思ったような伸びを見せれなかったゴールデンバローズに対して、一頭強烈な末脚で外から馬群を抜き去ってきたのがノンコノユメでした。
最後は2着ノボバカラに2馬身半差をつけてのゴールで、上がりタイムは2着ノボバカラが37秒3、3着アルタイルが36秒6、4着ゴールデンバローズが36秒8の中、ノンコノユメは最速の35秒5でした。一頭次元が違うといった感じのレース内容でした。

勝ったノンコノユメは前々走の伏竜ステークスでは5着に敗れていますが、このときは最後の直線で馬群の中を突いて思うような末脚を披露できなかった結果でした。出遅れ癖はデビュー当時からですが、その新馬戦からすでに一級品の末脚を披露しています。新馬戦の上がりタイムが35秒6で、それから常に勝っても負けても上がり最速タイムはノンコノユメが記録していました。
後方ポジションから直線での大外一気というと、芝で活躍したデュランダルを想い出します。その個性を見出されからのデュランダルは、常に最後方のディランダルポジションでレースを進め最後は直線一気で馬群を飲み込む極上の末脚でファンを魅了しました。

今回初の重賞制覇で磨きがかかったその個性を、これからもさらに伸ばしていってほしいように思います。

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