きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

旧友からのエール

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ロイヤルアスコットが開幕しました。昨日を初日に20日土曜まで5日間の華やかなページェントが繰り広げられます。日本のファンの関心は今日行われるG1プリンスオブウェールズSに出走するスピルバーグに集まっていますが、初日の最終レースに懐かしい血統の馬が出走しました。ワシントンディーシーというクールモア所有馬がその馬です。

父がデインヒルの孫世代ゾファニーというのは珍しくもないのですが、母の父が日本で走っていたシンコウフォレスト。美浦の栗田博憲厩舎所属ながら四位洋文騎手が乗って高松宮記念などに勝ったスプリンターでした。良績は短距離に集中しているのに、なぜか持ち時計のない外国産馬らしいパワースプリンターでした。もともとダービー馬ニューアプローチの半兄という良血でしたから、引退後はダンチヒ系の大種牡馬グリーンデザートの後継として直ぐにアイルランドに買い戻されています。向こうでは重賞勝ち馬を何頭も出していますから成功と言える水準でしょう。詳しいことは分からないのですが、07年に亡くなったと風の便りに聞いています。

さて、ワシントンディーシーですが、G1レースが3つも集中する壮麗な初日のフィナーレを飾る伝統の準重賞ウィンザーキャッスルSに出走し、27頭立ての電撃5F戦を猛烈な競り合いをお馴染みライアン・ムーア騎手の鞭に応えて勝利しています。血統的に距離が伸びてどうかですが、2歳戦では主役を張る1頭であるのは間違いないでしょう。フォレストは厩舎は違いますが、スピルバーグの藤沢先生も重賞&G1初勝利はシンコウラブリイでした。異国の地で思いがけない旧友からエールを送られた形でしょうか。スピルバーグの背中を押してくれると嬉しいのですが。

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