きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

いざロイヤルアスコットへ

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天皇賞馬スピルバーグらが遠征しているロイヤルアスコットがいよいよ来週火曜に女王ご臨席で壮大かつ華麗な幕を開けます。初日の第1レースから、いきなりロンジンのレーティング世界ランク首位のエイブルフレンドと芝部門2位のソロウが真正面から激突します。エイブルフレンドは香港調教馬で目下6連勝中と無敵ぶりです。4歳秋に凱旋門賞ウィークエンドのマイルG2を勝って波に乗りドバイターフ、イスパーン賞とG1連勝、覚醒したソロウは“フランス版ジャスタウェイ”と見て正解でしょう。両馬ともせん馬なのは残念ですが、これもお国柄、文化の違いでしょう。大レースで爪弾きされがちな彼らに門戸を開く英国王室の度量の広さに敬意を表します。他馬では昨年の2000ギニー馬ナイトオブサンダーが地元の意地を見せる覚悟です。年度代表馬キングマンが引退した今はグレートブリテンの代表的マイラーです。ホームの利を生かせるでしょうか?

スピルバーグのプリンスオブウェールズSは来週のお楽しみとして、スーパームーンが出るハードウィックSが面白そうです。凱旋門賞シリーズにマイルG1がないのと同様に(G2楽勝のソロウはその時点でチャンピオン格)、ロイヤルアスコットでは12FのG1は次開催のキングジョージまで待たされます。過去にもハードウィックで箔を付け大一番で底力を発揮したハービンジャーのような名馬も出ています。つまりG2とはいえ、けっこうな実力馬が顔を揃える格の高いレースです。スーパームーンには厳しい試練の戦いになりますが、せっかくの遠征ですから大きなお土産を手にしてください。昨年からの連覇を狙うテレスコープ、2着馬ヒルスタートが雪辱を期しています。一昨年の勝ち馬トーマスチッペンデールはゴール直後に心臓麻痺で死亡して可哀想なことをしましたが、母がノーザンファームに輸入されて弟妹の勇姿を日本で見られます。英愛きっての良血ですからこちらの楽しみも膨らみますね。

ルルーシュは一頓挫で残念ながら出走を自重するようですが、スピルバーグ、スーパームーンには世界の名手クリストファー・スミヨン騎手が騎乗してくれます。ライアン・ムーア、ランフランコ・デットーリ、世界のトップジョッキーたちの目の色が変わるのがロイヤルアスコットという特別な競馬です。刻一刻と進むカウントダウンを待ちましょう。

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