きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

あの強さは幻だったのか、それとも…

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優駿牝馬オークスの前日オッズが発表されました。
1番人気はルージュバックで2.9倍、桜花賞を逃げ切って勝ったレッツゴードンキは単勝6.3倍で2番人気に入りました。以下、桜花賞2番人気に支持され10着から巻き返しを狙うココロノアイが7.2倍、桜花賞4着のクイーンズリングが10.0倍、桜花賞除外から忘れな草賞を経由しての参戦となるミッキークイーンが10.3倍、桜花賞2着のクルミナルが10.9倍とつづきます。振り返れば今年の牝馬クラシック世代は主役不在、混沌とした中からのスタートでした。昨年暮れ、阪神ジュベナイルフィリーズで5番人気ショウナンアデラが優勝。牝馬クラシックの主役となるも、今年3月に骨折が判明して戦線離脱。入れ替わるようにして登場したのがルージュバックでした。

ルージュバックは昨年9月にデビューし牡馬相手に上がり32秒8のタイムで完勝すると、つづく百日草特別ではその後京成杯を勝つベルーフを2馬身半突き放し、3戦目のきさらぎ賞ではポルトドートウィユにアッシュゴールド相手に2馬身差をつけ初の重賞勝利を手にしました。きさらぎ賞の牝馬の勝利は51年ぶりで、まさに怪物。そんな雰囲気を漂わせての登場に、今年の牝馬クラシック戦線は間違いなくルージュバック中心で回っていくだろうと誰もが思いました。
しかし1冠目の桜花賞はルージュバックがこれまでに経験したことのないペースでした。
1000mの通過が62秒5。桜花賞史上まれにみるスローペースに翻弄され、初の同世代牝馬限定でのレースは9着と思わぬ大敗となりました。

されどルージュバックがきさらぎ賞で見せたパフォーマンスは、まぎれもなく怪物を予感させるものでした。
あの予感は幻だったのか、それともまぎれもない事実だったのか、今年のオークスはそれを確かめるレースとなりそうです。

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