きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

我が道を得たり

ようこそいらっしゃいませ。

先週末に引退を決定したばかりのハープスターが10日に交配したと報じられました。相手はキングカメハメハで、種付けシーズン中ということもあり引退直後の交配に踏み切ったようです。まさに電撃。現役時代の走りと同様に一気の繁殖牝馬スタートとなりました。
ハープスターは父ディープインパクトで母父ファルブラヴ、祖母は天才少女ベガで、ベガが最後に残した唯一の牝馬ヒストリックスターから誕生したベガの忘れ形見です。初の交配相手に選ばれたキングカメハメハはレッツゴードンキにドゥラメンテと今年クラシック2連勝中。勝利数ではディープインパクトに差をつけトップを走ります。まさにこれぞという相手。今年から繁殖牝馬入りしたジェンティルドンナも3月にはキングカメハメハとの仔を受胎させています。無事に進めば、ジェンティルドンナにハープスターの同世代の仔が、2019年のクラシックで激突ということも。ぜひ夢のつづきを見させてください。

先週3歳マイル王に輝いたクラリティスカイは、いったん放牧に出されたあと安田記念への出走を視野に調整が進められるようです。
当初は弥生賞、皐月賞と走りダービーへの視界も入ってたクラリティスカイは、NHKマイルカップに路線を変更。勝利を手にしその動向にも注目されていましたが、友道調教師は「ダービーはやめます」と明言されました。
生涯1度きりの挑戦、夢舞台、栄誉など世代頂点に輝くダービーですが、なにもダービーだけが競走馬の歩むべき道ではないのです。3歳春、まだ己を見つけるのに四苦八苦する同世代が多い中、距離適性を見極められそれに応えたクラリティスカイはまさに我が道を得て、存在感でも同世代の中でも頭ひとつふたつさらに前に出た感じがします。

ハープスターにしろ、クラリティスカイにしろ、歩む道がガラリと変化すれど、我が道を得たことでその道程は力強く、希望と期待が輝きを増しています。

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