きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ムーア時代の幕開け

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欧米ではクラシックシーズンが開幕、世界の競馬シーンもグンと盛り上がりを増してきました。イギリスのニューマーケット競馬場で行われた2000ギニー、1000ギニーは今シーズンからクールモア=エイダン・オブライエン軍団と新たに騎乗契約を結んだライアン・ムーア騎手がいきなり両レースを制覇。いったいG1レースをいくつ勝つんだの勢いです。オブライエン厩舎を中心に、古巣のマイケル・スタウト厩舎の有力馬にも跨ることを考えると記録的な勝利数をものにしていきそうです。

1000ギニーで強い勝ち方をしたレガティッシモはデインヒルダンサーの血ですが、母父がモンジューで叔父に名ステイヤーだったフェイムアンドグローリーがおり、2400mでも十分に通用すると見られオークスの本命に祭り上げられています。いかにもライアン好みの追って味がありそうで牝馬二冠に王手といった感じです。牡馬のグレンイーグルスもダービー候補に挙げられていますが、オブライエン厩舎には有力馬が目白押しな上、全姉マーヴェラスが愛1000ギニーを勝ちながら英愛オークスでは距離の壁を感じさせる内容でしたから、ロイヤルアスコットのマイルG1セントジェームスパレスSに回るのかもしれません。それなら大本命に推されるのでしょうね。

超良血馬ジョンFケネディをはじめ精鋭が揃うオブライエン厩舎ですが、重賞勝ちのなかったレガティッシモが2番人気に支持されたように、ムーア騎手が何に乗るかで本命馬が決まりそうな雲行きもあります。それほど現在に彼はファンから信頼されており、半ば神格化されつつある存在ということでしょうか。フランスで行われたガネー賞では、クリストフ・スミヨン騎手が9歳馬シリュスデゼーグルにG1を勝たせています。もちろん馬を仕上げた女性トレーナーであるコリーヌ・バランド・バブル調教師やスタッフの力も見落とせません。メンバーが軽かったというのは結果論で、驚嘆すべき凄腕だと素直に脱帽します。もはや神業の領域に突入しようとしているジョッキーたちの技術、厩舎スタッフたちの丹精には見習うべき点も少なくないですね。

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