きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

名脇役引退

ようこそいらっしゃいませ。

天皇賞(春)で12着に終わり、レース後、ジョッキーが下馬、左前浅屈腱不全断裂を発症したことが判明したウインバリアシオンがそのまま引退することになったようです。
重賞タイトルは3歳時の青葉賞と日経賞の2つながらも、ファンに深く印象を残した馬でした。青葉賞を6番人気から勝ち上がって挑んだダービーでは雨降る不良馬場をオルフェーヴルを追いかけ駆け上がり、1馬身3/4差離れての2着でした。それでも3着以下につけた着差は7馬身。この着差がダービー10番人気の低評価を覆し、ファンはウインバリアシオンに一目置くようになりました。

しかしウインバリアシオンの前には、同世代の怪物オルフェーヴルが縦横無尽にレースを駆けつづけました。秋の菊花賞でも2着、1年半の長期休養を挟んで復帰し臨んだ有馬記念でも2着と、G1タイトルはウインバリアシオンの前で怪物ぶりを魅せつけるオルフェーヴルが手にしていきます。

脇役に甘んじることが多かったウインバリアシオンにいつの日か主役になってほしい。そう願うファンも多かったことでしょう。昨年の天皇賞(春)では、キズナ、ゴールドシップに次いで単勝6.5倍の3番人気に支持されました。後方から追い込んだウインバリアシオンでしたが、クビ差フェノーメノに届かず2着の結果でした。引退となったウインバリアシオンはノーザンファームしがらきへ移動し、第二の人生に備えるようです。通算成績は23戦4勝ですが、成績以上にファンの記憶に残る走りを魅せた馬でした。

×