きょうの蹄音競馬にまつわるちょっといい話

2011.1.31

ようこそいらっしゃいませ。

ちょっとビックリしました。馬はこんなに遅く走れるのか、と。昨日の東京7R500万下平場2000mのレースです。開幕週の良馬場、勝ちタイムが2分7秒2、思わず目を疑いました。

最初に断っておきますが、馬にはまったく罪はありません。レースに関わっている人間の問題です。

昔、《咎める》という競馬用語がありました。《トガメル》と読みます。あまり見かけなくなった光景ですが、先行馬同士が折り合いをつけてスローペースに持ち込もうとすると、後方の馬が差を詰める、並び掛けるなどペースダウンを許さない、そうした騎手同士の駆け引きのようなものを指した言葉です。《チョットマッタ!》というやつですね。

最近よく『レースが流れなかった』という騎手談話を聞きます。《咎める》という言葉の内には、レースの流れは《できる》のではなく《つくる》もの、そんなジョッキーの意志のようなものが感じられます。勝手に流れをつくられてたまるかという職人の意地でしょうか。

馬が走るだけではなく、人の意地や誇りや思惑も走るのが競馬、だから競馬は面白いのだと思います。咎め立てのない競馬は面白さ半分というところでしょう。

ただ反面、《レースを壊す》という言葉もあります。《咎める》と《壊す》は紙一重でしょうから簡単ではありません。高度な騎乗技術や的確な判断が要求されます。人間関係とか七面倒臭いこともあるのでしょうが、勝負どころではサッカーなんか当たり前に《体を張り》ますね。競馬も勝負ですから、そんなシーンがあっていいと思います。