海外だより

ビッグスリーが激突!

香港ビッグスリーが激突するG1スチュワーズCが今週日曜日に迫りました。香港の地元ファンのみならず世界のホースマンが注目する“世紀の一戦”です。イギリスの大手ブックメーカーなどがオッズを提示していますが、ビッグスリーは紙一重で均衡した倍率となっています。現在のところ、ロマンティックウォリアーが2.62倍で1番人気、カリフォルニアスパングルが2.82倍の小差で追い、ゴールデンシックスティは3倍ちょうど、いずれにしろ3頭が小数点以下のミクロの戦いとなっています。どの馬にも譲れない大一番です。

ロマンティックウォリアーは、香港に上陸以来10戦9勝と底を見せない戦いを続けています。「香港三冠」シリーズは距離1800mの香港クラシックCこそ4着と取りこぼしましたが、1600mの香港クラシックマイルと2000mの香港ダービーの二冠を制覇して世代No. 1の座に就きました。その後も古馬相手のG1クイーンエリザベス2世Cと香港Cを連勝して距離不安を吹き飛ばし、死角なしの万全の体制でここへ臨みます。“香港の英雄”の尊称を欲しいままにしていたゴールデンシックスティから王座を奪い獲ることができるでしょうか?

カリフォルニアスパングルは、アイルランドから香港に移籍して13戦8勝2着5回とパーフェクトな堅実ぶりを誇っています。香港クラシックCでロマンティックを撃破した金星もあり、前走の香港マイルでゴールデンシックスティとクビ差の叩き合いに凱歌を上げるジャイアントキリング(大物食い)を成し遂げています。日本から遠征したダノンスコーピオン、シュネルマイスターを粉砕しての勝利でしたから価値があります。“威信回復”に気持ちを集中させるゴールデンシックスティは、指定席の後方にゆったり構え、直線で測ったように伸びて来る末脚がすっかり安定しています。人気は売り出し中の若者に譲っても勝利の美酒をたっぷり注いだ盃は手放しません。“香港の英雄”の美称とその誇りが一番似合う馬です。日本での馬券発売がないのは残念ですが、それでも十分にワクワクさせてもらえそうです。

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