海外だより

蹄春を告げるワールドカップ群

いずれも最高の賞金と最高の名誉を賭けて、ワールドクラスのチャンピオンシップを争う選手権レースが年明けの恒例となって来ました。まず1月はアメリカのペガサスワールドカップ、創設時には1着賞金700万ドル≒7億円余と当時の高額賞金世界一を看板に第1回はアロゲート、第2回がガンランナーが勝利を収めているように当代一流の強豪を集めて、たちまち世界の注目を集めるブランドレースとして確立されました。現在は賞金が下降気味ですが、1月下旬の開催時期もあって、種牡馬入りする名馬のラストランの舞台としてファンに親しまれています。今年は怪物フライトラインが早々と引退してしまったため“目玉ホース”に欠ける感じですが、名馬ガンランナーの初年度産駒サイバーナイフが父子制覇の期待を背負って登場します。いずれ日本にも入ってくる血統でしょうから、チェックしておきたいと思っています。

2月下旬には、登録が締め切られたばかりのサウジカップデーが首都リアドのキングアヴドゥルアジーズ競馬場で開催されます。メインレースのサウジカップの総賞金2000万ドル・1着賞金1000万ドル≒13億円余ですっかり有名になりました。サブレースも1着は日本円で1億円を超える高額が贈られます。これらを加えた全体の総賞金は2850万ドル≒38億円もに達します。オイルマネー恐るべし、目のくらむ思いです。昨年は5つのサブレースで4つまで日本馬が制覇して、残るサウジダービーも2、3着と上位独占の快挙で“日の丸デー”を高らかに謳い上げました。今年も日本馬100頭以上が登録を済ませ、招待馬に選出されるのを待つばかりです。本番に勝つことも大変ですが、まず招待枠にエントリーされること自体が難関です。登録馬主さんにはヤキモキさせられる数週間が続きそうです。

そして3月下旬は、もう春到来の風物詩となったドバイワールドカップデーが待っています。メインの総賞金は1200万ドル≒15億円余とサウジカップに世界一の座を譲りましたが、全体の賞金額2950万ドル≒39億円と最高峰デーの誇りを保ち続けています。今月下旬に予備登録が締め切られますから、ここ1週間ほどで全体像がウッスラでも見えて来るでしょうね。史上初のドバイシーマクラシック連覇を狙うシャフヤリールが日の丸サラブレッドの大将格ですね。いよいよ競馬の春が幕を開けます。日本馬には例年以上の頑張りを期待しましょう。

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