01. 暑い中での馬の疲労を考えると、ぜひともナイターにしてほしい。
テレビでの競馬中継のきっかけは、西川会長?
細江中山馬主協会は近年、公式の“Webサイト”や“X”などで情報発信の場を広げていますね。
西川2年前は1万人程度だった“X”のフォロアーが、今は5万人以上だよ。これは若い広報担当の方たちが、頑張ってくれたおかげだよね。
細江“X”にアップされた西川会長の動画、大好評ですね。会長のノリのよさは元気になります。
西川いやいやいや(笑)。ノリがいい時と、悪い時があるから(笑)。まあ、協会として様々な情報発信を、これからもしていく予定です。
細江そういえば、テレビでの競馬中継のきっかけは、西川会長なんですよね?
西川そうそう。今の日本テレビが民放初の競馬中継(※1953年に民放テレビ局として初めて天皇賞・秋の中継を行った)をしたんだけど、すぐ止めちゃった。まあ、当時の競馬場は完全なギャンブル場だったしイメージがあまり良くなかったからみたい。
細江残念ですね。
西川その後、あるゴルフコンペに参加したら、フジテレビの社長と一緒になったんだよね。その時、社長に「あなたのお父さんはスゴイね。お仕事もだし、牧場の経営もしてるし」って言われたんだよね。うちの父も馬主をしていて、有限会社北西牧場(現:ウエスタンファーム)もやっていたから。いろいろと話が弾んだ中で、ポロッと「社長の局で競馬の中継をしませんか」って言ってみたんだよ。
細江急に言われて社長さんは?
西川「うちの局で、できるんですか?」って。だから、日本テレビでやっていた話をしたら、社長も覚えていたみたい。「是非、うちでやりたい」とおっしゃるから、競馬会に相談してみたらとお伝えしたんだよね。
細江それで、フジテレビでの競馬中継がはじまったんですね。この放送が先駆けとなって、いまやスポーツの専門チャンネルやネット中継なども加わり、競馬を観戦できる媒体は増えています。
西川馬主の藤田晋さんが代表取締役社長を務めている株式会社AbemaTVとかね。今年の10月から「ABEMA de グリーンチャンネル」が始まったでしょ。中継だけじゃなく、そのうち自分のところで競馬番組を作って、もっともっと面白くなっていくんだろうな~。藤田君も自信があるみたいだよ。
細江藤田社長には、さらに成功するビジョンがあるんですね。
西川今スゴイんだよね。2024年度のABEMAプレミアム会員数は約150万人。2016年から2021年にかけて、週間視聴ユーザーは500万人から1500万人に増えているんだって。動画配信サイトって、まだまだあるじゃない。AmazonのPrime Video、U-NEXTとかも配信をしてくれるようになったら…まだまだ広がりそうだね。
細江ネット配信はスマホでも見られるから、どこでも観戦できて便利ですよ。若い世代は馬券もスマホで買っているし。
西川そうなんだよ。ネットには、今まで以上の人に競馬を見てもらえるチャンスがある。今の若い人は100円とか500円とか堅実な金額の馬券を買う人が多いよね。そういう人がネットで競馬を楽しんで、たくさんファンが増えていくのっていいよね。
真夏の暑さ対策にナイター競馬
細江地方競馬はネット中継を取り入れるのが早かったですね。いまや、ナイターも当たり前ですし。
西川地方競馬は地方自治体が主催者だから決断が早い面はあるよね。でも、JRAは農林水産省の外郭団体で国が相手になるからな~。とはいえ、近年の真夏の暑さは尋常じゃない。時間をズラすという意見もあるけど、午後も暑いじゃない。テレビの放送時間の問題もあるけど、もう思い切ってナイターにするべきなんじゃと私は思っているんだよね。
細江ナイターとなれば、近隣住民のみなさんのご理解が必要となりますが?それに、地方競馬との開催日程との関係もあります。
西川地方競馬の方たちは、馬のことが一番だからと協力の姿勢を見せてくれているよ。それから、福島と新潟の競馬場近辺の方々も好意的なんだよね。なぜなら、競馬開催があれば宿泊するファンがいて、その人たちが食事をして町が潤うから。特に福島は“相馬野馬追”ってお祭りをしているから、地域のみなさんの馬に対する理解が深いんだよね。
細江人件費や新たな設備投資も必要になります。事故があった場合の病院も、どうすればいいんでしょう?
西川受け入れてくれるかは別として、深夜救急の病院はどの地域にもあるし、競馬場内に医者もいる。あとは、厩務員さんなどの人件費を含めた経費だよね。これまで、福島なら日帰りでも行けた。でも、ナイターになって前乗りするとなったら1泊、遅いレースになった場合も1泊する。でも、その日のうちに行き来したいなら、10時頃までに福島を出れば大丈夫なんじゃないかな。
細江地元もOKなら、あとはGO!ですね。
西川やれる体制は整っているわけだし、暑い中での馬の疲労を考えると、ぜひともナイターにしてほしい。土日に家にいて退屈している時に競馬がやっていたら、みんな中継を見るだろうし、馬券も買っちゃうでしょ(笑)。
細江夕方、一杯飲んでなら余計に買っちゃうかも(笑)。
競馬界が抱える人手不足問題
細江あとは、いま競馬界が抱える問題としては、人手不足があります。
西川厩務員として海外の人を受け入れるかだよね。すでに馬産地や地方競馬では、インドやフィリピンなど海外出身の厩務員をたくさん採用しているでしょ?国の政策もあるとは思うけど、その中でJRAを目指してくれる人は私個人としては海外から受け入れてもいいのではと思っているよ。最初の内は、いろいろと問題はあるかもしれない。でも、どうしても人手はいるわけですから。
細江馬を育てるって人間じゃないとできない仕事ですもんね。デジタル技術が進んでも、そこだけは変わらないですから。
西川例えばだけど、競馬学校に外国人専門の部門を作って、日本流の馬の乗り方を教えるのもいいんじゃないかなと。
細江外国人の騎手は何人かいますが、合格するのはなかなか難しいですよね。
西川外国の騎手も受け入れればいいよね。そうしたら、女性騎手も増えるのに。
細江フランスのミカエル・ミシェル騎手は今年4回目の試験を受けましたけど、合格できなかったんですよね。今、JRAも女性騎手が増えて活躍していますが、人数的にもっと増えたら、新しい方向性も生まれてきそうですよね。
西川本当にそうだよ。競艇とか競輪とか、女性選手だけのレースをして、上手にプロデュースしているもんね。で、優勝した子がインタビューを受けてメディアにたくさん出ているんだよ。女性騎手だけのレースをナイターでなんて、華やかでいいよね。
(構成:スポーツ報知 志賀浩子)

細江 純子
1975年愛知県蒲郡出身。1996年JRA初の女性騎手としてデビュー。2,000年日本人女性騎手として初の海外勝利(シンガポール)。2001年引退。引退後はホースコラボレーターとしてフジテレビ『みんなのKEIBA』関西テレビ『競馬BEAT』に出演。夕刊フジ・アサヒ芸能などにコラムを連載中。書籍は『ホソジュンのステッキなお話』文芸ポストでの短編小説『ストレイチャイルド』。