ゲスト
ミュージアムマイル号担当 嘉堂 祐也さん 栗東・高柳大輔厩舎

02. なによりもミュージアムマイルのケアをしながら、無事にダービーに送り出したい

なによりもミュージアムマイルのケアをしながら、無事にダービーに送り出したい
高柳大輔厩舎でミュージアムマイル号を担当する嘉堂祐也さんをゲストに迎えお届けする『イケメンホースたち〜担当者が思う愛馬の素顔〜』。後編では、競馬に興味を持ったきっかけやダービーへ向けての意気込みをお聞きしました。

競馬に興味を持ったきっかけは?

細江お父さんは、あの嘉堂信雄元騎手(ケイティタイガーで1997年中山大障害など制覇)ですよね。皐月賞の勝利、喜ばれたでしょう? なにか、お祝いの言葉はありましたか?

嘉堂「おめでとう。よかったな」と言ってくれました。うれしかったですね。

細江この世界に入ったのは、お父さんの影響ですか?

嘉堂子供の頃は、競馬にまったく興味がなかったですね。父はいわゆる“昭和の親父”タイプで、家で競馬の話をすることもなかったですし。

細江じゃあ、小さな頃に乗馬とかは?

嘉堂全然です。高校の馬術部で乗馬を始めました。卒業後は牧場に行ったんですが、やっぱり馬に興味が出なかったんです。それで、大工仕事や飲食業など、いろいろな仕事をしました。

細江それが、変わったきかっけは?

嘉堂地元の成人式に出た時です。友だちは大学生だったり、車の仕事をすると言ってその勉強を一生懸命していたり。やりたいことのために、頑張っていました。それを見て、自分も何か、ひとつのものを目指そうと思ったんです。それで、父と仲が良かった松永昌博先生に、しがらき牧場を紹介していただきました。

細江そこからは、馬でいこうと?

嘉堂自分で、やると決めましたからね。トレセンに入ったのは2012年です。

細江回り道をしながら、競馬の仕事に就きました。その選択はして良かったですか。

嘉堂そうですね。回り道をしたのは…若かったんでしょうね(笑)。

馬と接するうえで、一番気を配っていることは?

細江馬と接するうえで、一番気を配っていることは何ですか?

嘉堂馬の気持ちを察して、やる気を折らないようにすることですね。嫌がることを無理にさせてトラウマになったり、しないようにしたいなと。あとは、日頃のケアですね。馬はしゃべってはくれないので、脚元など見落としがないように気をつけています。

細江馬って個性があるから、なかなか匙加減が難しいですよね。ミュージアムマイルも、デビュー時から徐々に変わっていったわけですし。

嘉堂そうですね。トレセンでは僕が担当していますが、牧場に行けばそこの担当者がいます。いろいろな人が携わる中で変わっていくのは、おもしろいところでもありますね。

細江ミュージアムマイルは皐月賞後に放牧に出ましたが、ダービーに向けて戻ってからまた変化はありましたか?

嘉堂5月13日に栗東に帰ってきました。一緒に迎えに行ってくれたスタッフを蹴りに行ったり、厩舎で誰かに撫でられそうになると怒ったり。元気一杯で、だいぶイキっていますね。オラオラしています(笑)。

細江だんだん、変わってきていますね。

嘉堂ですよね。俺様感が出て、「G1馬なんやぞ!」って、何となく偉そうです。皐月賞ぐらいからですが、僕に対してもブラシをかけている時に機嫌が悪いと噛みつきにきたり、気の強さを出すことがあります。より牡馬らしくなってきたんだなと。普段は、変わらず大人しいですよ。

細江なんか、格好いいですね。普段はもの静かで、ここぞという時は強いぞ!っていう。戦いへのスイッチはビシッと入るし。

嘉堂オンオフは、はっきりしていますね。オンの状態でも、ちゃんと我慢はできますし、わざと暴れたりもしません。その辺りは、きちんと分かっているんだと思います。

2冠目のかかったダービーに向けて

細江馬体のほうは、どうですか?

嘉堂帰ってきた時の体重は、前回と変わらないぐらいでした。前走と同じぐらいで、本番を迎えられたらと思っています。

細江では、2冠目のかかったダービーに向けての調整は順調で? 

嘉堂友道助手が乗った感触は良かったようですね。けっこう使ってきたので、調子落ちしていたら…と思っていましたが、変わりなく行けそうです。

細江そうそう、友道助手もお父さんが友道康夫調教師という競馬界二世なんですよね。

嘉堂はい。実はそれまで、僕が主に乗っていたんですが、皐月賞の当該週に腰をやっちゃって。それで、乗ったことのある友道助手にお願いしました。馬乗りは上手だし、任せて安心です。

細江中間でゲートの練習をする予定は?

嘉堂毎週、駐立の練習はしています。ここ2戦は練習の段階からゲートは出ていますし、反応も良かったんです。今回、最終的にどうするかは先生の判断ですよね。

細江再度、関東への輸送2400m戦となります。直線の長い東京競馬場に替わってどうでしょう?

嘉堂輸送は慣れてきたので問題ないと思います。距離が延びるのは、折り合いがつくので、大丈夫ではないでしょうか。直線はハマってほしいと願っています。たぶん、皐月賞のように中団で構えることになると思うんです。そうなると、後ろにいるクロワデュノールが怖いですね。それより、ダービー当日の雰囲気がどうかですよね。想像もつかないです。

細江お祭りのような、独特の雰囲気になりますよね。あの空気感は別格。

嘉堂みんな、そう言うんですよね。それが、どんな感じなのか楽しみです。なにより、ミュージアムマイルのケアをしながら、無事にダービーに送り出すことだと思っています。そのためには、自分もいつも通りに馬に接するようにしたいですね。

(構成:スポーツ報知 志賀浩子)

細江 純子
1975年愛知県蒲郡出身。1996年JRA初の女性騎手としてデビュー。2,000年日本人女性騎手として初の海外勝利(シンガポール)。2001年引退。引退後はホースコラボレーターとしてフジテレビ『みんなのKEIBA』関西テレビ『競馬BEAT』に出演。夕刊フジ・アサヒ芸能などにコラムを連載中。書籍は『ホソジュンのステッキなお話』文芸ポストでの短編小説『ストレイチャイルド』。

※この記事は 2025年5月28日 に公開されました。
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