ゲスト
遠藤幹 さん サラブレッドブリーダーズクラブ

01. 個性あふれる種牡馬たちとの忘れえぬ思い出と未来図

個性あふれる種牡馬たちとの忘れえぬ思い出と未来図
アナウンサー梅田陽子さんがインタビューアーとなりお届けする「ホースと共に!」。今回のゲストは、株式会社サラブレッドブリーダーズクラブ・遠藤幹さんです。株式会社サラブレッドブリーダーズクラブでは、1981年の設立以来、産地競走馬エージェントとして国内外からの種牡馬導入、シンジケート結成やマネージメント、競走馬・種付権利の売買斡旋、競走馬保険や牧場資材・飼料の販売などの業務を行っています。前編では、種付けの現場の様子や思い出深い種牡馬、期待される種牡馬などについてお聞きしました。

なるべくいい種牡馬を導入するのが一番の仕事

梅田今回は(株)サラブレッドブリーダーズクラブの常務取締役でいらっしゃいます遠藤幹さんにお話をうかがわせていただきます。さっそくですが、この時期は種付けシーズンでお忙しいですよね?

遠藤うちの会社は、種馬を飼養管理して、その種馬のマネジメントと、販売促進を行い、たくさんの種付け頭数を集めるということが主な業務内容になります。シンジケートを組んでいる種牡馬は多いのですが、種付権利を毎年シンジケート会員様が付けるわけではありません。それは毎年付けると、次々と同じ配合の馬ができてしまうというので、今年はうちのリオンディーズの株を売って、よその種牡馬であるヘニーヒューズを付けたいとか、そういう方が出てきますので、その種付権利の売り買いなどもあわせてやっています。うちの種牡馬ではなくても、馬主さんや生産者さんからお問い合わせなどをいただいたりすることもあります。種付けシーズンに入ったら入ったで、現場(ブリーダーズスタリオンステーション)は種付け業務をしっかり遂行するために全力投球となります。その前の時期は、我々営業担当が忙しい時期になります。

梅田サラブレッドブリーダーズクラブさんという会社のお仕事の内容の1つを教えていただきましたが、その他にも業務内容は様々にあるのでしょうか?

遠藤種馬に関して言えば、種馬のマネジメント業務もありますし、種馬を導入することも会社として積極的に動きますし、シンジケートを組織したり、種牡馬保険を取り次ぐ保険代理店業務があったりします。馬産地にはこういった種牡馬の商社はいくつかありますが、もちろんそれ以外の業務もあります。うちの会社でも馬の売り買いを得意とする社員がいて、そちらの業務も積極的に行いますし、日本競走馬協会の北海道事務所としてセレクトセールの運営にかかわったり、ジャパンブリーダーズカップ協会という吉田勝己会長をトップとする一般社団法人のマネジメントを行い、JBC競走の実行委員会のメンバーとしてレースの施行にかかわったりするなど、いろいろな仕事をさせていただいております。

梅田遠藤さんご自身としては、会社の業務もありますし、種馬に関して業界全体を見ていったり、いろんなお仕事をしていらっしゃるんですね。

遠藤そういう意味では「何でも屋」です。種馬に関することであれば、いろいろな仕事をやっておりますが、サラブレッドブリーダーズクラブでは番頭的な仕事をさせていただいています。代表は下河辺牧場の代表でもある下河辺行雄が務めており、会社として種馬を導入するにあたって代表や役員の方針があり、うちとしてはなるべくいい種牡馬を導入したいと思っていますし、そこでの仕事が一番のメインになっていると思います。

大変思い出深いフォーウィールドライブ導入のエピソード

梅田ホームページを拝見させていただきましたら、繋養している種牡馬がたくさんいらっしゃいますけど、そのラインアップを組んでいくやり方とか、どういうふうに入れ替えたりしているのか、そのあたりのことが気になります。

遠藤会社として独自の動きで入れてくる種馬もいれば、馬主さんに依頼されたり、長年懇意にしています社台グループさんとの連携のもとに、うちで預かってくれませんかと依頼を受けたりする種馬もいますし、いろんな経緯で種馬が入ってきます。具体名を挙げれば、例えばうちで成功している種馬の一頭にリオンディーズがいます。これは種馬に上がるときに、ノーザンファームさんサイドから「ブリーダーズさんでどうですか?」というお話をいただき、うちの会社でシンジケートを組んで繋養することになり、現在のうちの中核種牡馬の一頭として大事な存在となっております。その一方でリアルスティールについては、2023年の秋に社台スタリオンステーションさんから、こちらへの移動のお話をいただき、うちの方で預からせていただきました。その前から産駒成績は出始めていたところではありましたが、うちに移動が決まってから、フォーエバーヤングが暮れの全日本2歳優駿に優勝し、その後の活躍はご存じの通りです。そういう素晴らしい馬を預からせていただいているのは、社台グループさんのお陰です。もう1頭挙げるとするならば、フォーウィールドライブというアメリカンファラオの子がいまして、種付料が手頃な馬(26年シーズン150万円)ですけど、ヤマニンチェルキなど活躍馬が走り始めていて、今年はうちのスタリオンでは一番多く種付けをこなしそうな馬なんです。

梅田もう、Book Fullになっていますね。

遠藤150万円の余勢の申込みは予定頭数に達したので、締め切っています。

梅田同じくリオンディーズやリアルスティールあたりもBook Fullですね。

遠藤フォーウィールドライブなどは、会社独自の動きのなかで海外の方から面白そうな馬の一頭として、会社がオファーをして導入してきた馬ですので、こういう馬が走ってくれるのは会社としても大変ありがたい限りですね。

梅田フォーウィールドライブを初めて遠藤さんがご覧になった時の印象などはいかがでしたか?

遠藤海外まで直接行って見たわけではないのですが、エージェントから資料などを送っていただきました。まだ現役でしたので馬としてはまだ幼さもありましたが、「歩きのいい馬だな」という印象はありました。それでオファーをしたんですが、最初は売らないと断られたんですね。それで一度は諦めたんです。ところがその年の12月31日、もう一度エージェントを通じて話が出てきて、日本のブリーダーグループに売りたいとなりました。先方から社長に直接連絡があり、そして社長からこちらに連絡があり、もう一度オファーをし直しました。年明けに先方から売却OKの返事が来て、大きなお年玉をいただいた気持ちになりました。そんなこともあり、大変思い出深い馬の一頭です。

梅田アメリカンファラオの後継種牡馬と言われている一頭ですね。

遠藤当時からアメリカンファラオは有名な馬でしたが、日本国内ではカフェファラオやダノンファラオが競馬場で活躍していましたが、アメリカンファラオの子としては導入種牡馬第1号で、しかも年末に決まって年明けに契約をしたので、種牡馬展示会の時にはビデオでしか生産者の皆さんにご覧いただけませんでした。実際に馬が来たのは2月の末なんですよね。もう種付けシーズンに入っていました。ただ、お陰様でシンジケートも即刻満口となり、余勢もたくさん付いて、シーズン途中からの種付けにもかかわらず、130頭台(139頭:2021年)の繁殖牝馬を集めました。フォーウィールドライブを導入した後、国内のアメリカンファラオの子たちもダートGⅠを次々取るようになり、浦河でもアメリカンファラオの子のヴァンゴッホが導入されて、今年はアメリカンファラオ自身が日本で供用されるということで、そういう意味ではその先駆けになった馬だと思うと大変うれしい限りです。

梅田産駒はダート馬が多いようですけど、フォーウィールドライブ自身は芝でも走っていた馬のようですね。

遠藤GⅠではありませんが、アメリカのブリーダーズカップターフスプリント(GⅡ)の勝ち馬で、芝の1200メートルなど短いところで走れる強烈なスピードを持っていた馬だったので、そこは魅力でした。

梅田いろんなタイプの産駒を出しそうな可能性を感じますし、だからこそ満口になったのでしょうか。そのあたりも遠藤さんにうかがってみたいなと思っていました。

遠藤本馬自身は、芝の短いところで業績を挙げていますが、産駒はこの手の短い馬にありがちな一本調子なところだけではなくて、スピードは当然あるんですけど、競って強くて、際どく勝ち星を拾っているレースも割と多いんですよね。ちょっと古い馬になりますけど、ミスタープロスペクター系の種馬で、うちで成功した馬にアフリートがいました。その産駒自身はものすごくパワフルな馬で、ヨーイドンのスタートから先頭を走って、後続に5馬身、6馬身つけて圧勝するかと思えば、次のレースではコロリと負けちゃうとか、すごく勝ち負けがはっきりしていました。勝つ時は見事だけど、負ける時は淡泊なレースをしていたイメージがミスプロ系には若干あるのですが、ちょっとそれとは違った意味でスピードもあるし、前につけられるし、それでいて直線では、しぶとく二の脚を繰り出して残ったりとか、いいレースをしている馬が多いです。それがこの馬の一番面白いところかなと思っています。

梅田やっぱり今後も楽しみになりますね。

遠藤この馬の産駒はクラシックディスタンスに向いているかといえば、違うとは思いますけど、初戦から走れるとか、しぶとく未勝利を勝ち上がるとか、そういう馬も馬主さんにとっては大事な馬でしょう。スピードが足りなくて、後ろでのろのろついていくようなレースをする馬は少ないと思いますので、この先もいい子を出してくれると思っています。そういったところを生産者さんの皆さんはしっかりと見ていらっしゃいます。種付料が去年は100万円だったのが、50万円上げて150万円にしたのですが、当たり前のように申し込みがたくさん来たので、会社としては、いの一番に満口とさせていただいた次第で、今年の種付け数は150頭前後を予定しています。昨年は77頭の種付けでしたので、繁殖牝馬の数は倍くらい集まるのではないかと思います。

梅田そうなんですね。フォーウィールドライブには頑張ってもらう感じですね!もしかしてそれって安過ぎたかも、いやちょっと高かったかな、とかいろいろと悩んだり考えたりされますよね?

遠藤ありがたいことに、今は馬産地が押し並べて景気がいいと思います。セリで売却率の方がグッと上がって、今ちょうど種付料が去年あたりからじわじわと上がっている馬が増えた感じがします。そういったなかで、生産者の皆さんもより良い馬を作ろうということで、種付けに対して非常に前向きになっていますから、そういう意味で言うとフォーウィールドライブを倍の200万円にしても、そんなに種付け頭数は落ちなかっただろうし、150万円は結果的には割安感があったからドッと申し込みが殺到したのだと思います。それも含めて馬主さんや生産者さんに喜んでいただけることが、うちの会社の大事な役割で、会社とシンジケートメンバーだけがハッピーというのもなんですし、それはそれでよかったと思います。

思い入れの深い名種牡馬アフリートやステイゴールド

梅田そうなんですね。さっきアフリートのお名前が出ましたけど、サラブレッドブリーダーズクラブさんと言ったらアフリートとか、ブラックタイドとか、さっきお話にあったリオンディーズとかのお名前も出ましたけど、すごい名馬がたくさんいますよね。

遠藤あと、ステイゴールドもですね。ビッグレッドファームさんと2年交互にシャトルしていましたけれども、自分は長い年月この商売をやらせていただいておりますが、アフリートとステイゴールドは大変思い出深い種馬です。

梅田ステイゴールドやアフリートのエピソードなどもありましたら、ぜひお聞かせいただきたいんです!

遠藤アフリートはミスタープロスペクターの直子で、パワフルな馬体で黄金色に輝くきれいな栗毛の馬でした。筋肉がはち切れんばかりについていて、サンデーサイレンス系の馬体とは、まったく違った系統の馬でした。先方が売ってくれてから、海外での産駒成績もうなぎ登りに良くなり、そして日本に来てからも活躍馬を次々と出してくれました。プリモディーネやスターリングローズなど短距離に強い馬を数多く出してくれましたので、JRA総合サイアーランキングでは最高4位、ダートランキングでは1位まで上り詰めました。気性は非常に穏やかで、スタッフが手こずるところもなく、種付けも上手な馬でした。年齢は30歳まで生きてくれて、2014年に亡くなってから10年は経ちますよね。最後まで頑張ってくれた馬なので、思い出深い馬です。

梅田本当に功労馬ですね。今は孫やひ孫の世代でしょうし、下河辺牧場さんの生産馬だとドライスタウトなどが「母の父アフリート」でいらっしゃいますよね。本当に活躍馬をたくさん出していますね。ステイゴールドの方はいかがでしたか?

遠藤大変印象深いのは、サンデーサイレンスの直子はみんな種付けが大好きでしたが、ステイゴールドは特に強烈な馬でした。とにかくシーズン当初は、飛びかからんばかりの勢いで種付所に入場して来てですね、繁殖牝馬にものすごい勢いで挑みかかるんですね。スタッフは曲芸のように身をかわしながら種馬を操縦するのですが、人に対しても危ない馬だったので、そこはうちのスタッフの力量に感謝しています。

梅田それは危険を感じるくらいだったわけですね。

遠藤サンデーサイレンスの直子らしい、いかにも種付けも大好き、その一方で気性的な面も強烈でした。変な話ですけど、繁殖牝馬の方も分かるんですよね。そういう馬は何頭も種付け業務のなかで種牡馬と出会っていると思うのですけど、たぶん目とか、勢いとか、その馬の醸し出す雰囲気で、「ここで暴れるとステイゴールドが怒るぞ」というのが分かるのだと思います。だからじっと静かにして、ステイゴールドの仕事が終わるのを待っている馬が多かったですね。種付けが上手な馬でしたけど、ステイゴールドの雰囲気に圧倒された繁殖牝馬の協力もあって多頭数の牝馬に交配しましたし、一番多い時は249頭の牝馬(2011年)に付けましたので、いろんな意味でスタッフも含めて勉強になった馬ではあります。たくさんの種付けの申し込みをこなすために、事務方でも受け付けのシステムを工夫しましたし、現場は現場で250頭をこなすのは大変でした。

梅田いや~、スタッフさんも大変でしたよね。

遠藤本当に大変でした。でも一番大変だったのはステイゴールド自身だったと思うんです。それだけの頭数をしっかり種付けしたというのは、本当に種馬中の種馬だったなと思っています。

梅田過去にも後にも、かなりの印象度だったのですね。

遠藤ステイゴールドといい、ブラックタイドといい、サンデーサイレンス直子特有の種付けに対する前向きさとか、たくましさと勢いの良さは、本当にお父さん譲りなのだろうな、というのは見ていて思います。

梅田すごいですね。なかなかそういう種付けの現場は一般には公開されないものですし、なかなかお話をうかがう機会もないので、初めて知るお話が多いです。

遠藤大動物の生殖行為ですし、生産者さん、馬主さんにとってお持ちの牝馬が受胎する、しないは大きな賭けでもあるので、一般見学はお断りしています。

これからブレイクが期待されるグレーターロンドン

梅田そうですよね。だからこそ、そういったお話をうかがえることは貴重なことだと思いました。サラブレッドブリーダーズクラブさんは、やはり下河辺牧場さんの社長様が、代表を務めていらっしゃるということで、下河辺さんゆかりの血統であったり、下河辺さんで産まれて、また里帰りして、という馬もたくさんいらっしゃいますもんね。

遠藤現在は(種牡馬が)4頭います。グレーターロンドンに、キセキ、ドライスタウト、そして今回新たにソウルラッシュが入って来まして、社長のところの生産馬を、またうちの方で預からせていただけるのは、大変ありがたいと思っています。

梅田やっぱりグレーターロンドン産駒は、勝ち上がりもすごいですよね。

遠藤シンジケートを組んでいて、初年度は60頭半ば(65頭)くらい種付けしました。ところが2年目、3年目になったら、種付け頭数がだんだん減ってきましてね。それは他にもいろんな種馬が出てきたりするなかで、グレーターロンドンがちょっと埋没してしまったというところもありました。こちらも一生懸命プロモーション活動にいそしむんですけど、種付け牝馬の数が減ってしまったのは事実です。ところが1年目の産駒から重賞勝ち馬も出てきて、なおかつ産駒の勝ち上がり率もそうですし、伸びしろの大きい産駒が大変多いのです。今年などは葉牡丹賞を勝ったサノノグレーターですか、すごくいいレースを続けている馬なので、佐野信幸オーナーも大変期待していらっしゃいますし、生産者はうちの会社の株主の沖田牧場さんでもあります。とにかくサノノグレーターは、種牡馬グレーターロンドンの先行きを占う一頭だと思っております。

梅田そうなんですね。サノノグレーターの活躍は、佐野オーナーも喜んでいらっしゃいましたね。

遠藤数字の細かいことを言うと、種牡馬成績の指標で、「アーニングインデックス」というものがあります。平均的な種馬の産駒の収得賞金を1とすると、1.5だったら1.5倍賞金を獲得しているとか、0.5だったら平均的な種馬の半分だとかいう数字があるんです。それでグレーターロンドンの何が一番すごいかと言ったら、繁殖牝馬の指標があるんですね。「コンパラブルインデックス」と言うのですけど、実はこれが0.7ぐらいしかないんです。言い方は難しいんですけど、平均的なメス馬の子供たちの活躍を1とすると、0.7ですから、“あまり稼いでいないメス馬”と種付けをしていることになります。

梅田なるほど。

遠藤だけど、この馬の「アーニングインデックス」は、1.3くらいあるんです。こういう馬は本当にいないんですよ。

梅田えー!すごいことですね!

遠藤ざっと年明けにデータを見た限りで言うと、繁殖牝馬の質よりも「アーニングインデックス」が高い馬というのは本当に少なくて、今のランキング上位で言うとキズナやキタサンブラックなどです。つまりはメス馬の能力を引き上げる種馬なんですよね。そういう意味で言うとグレーターロンドンは、サイアーランキングでは目立ちませんが、繁殖牝馬の産駒の質を確実に上げて、それまでのきょうだいよりも確実に走る子を出してくるので、この先大変楽しみなんです。実はサノノグレーターの3歳の世代は、登録産駒数で23頭しかいませんが、少ない産駒数ながら競馬で活躍しています。今年の2歳世代から産駒の数は増えていきますので、さらに種馬としての成績の上積みが数字通りなら見込めてきますので、大変楽しみにしています。

梅田次はどれくらいの頭数を予定しているのでしょうか?

遠藤どっと数が減った世代が今の3歳ですが、今年の夏にデビューする2歳世代は80頭(登録産駒数82頭)くらいいます。つまり初年度産駒が走ったので、産駒数がドッと増えました。今までは少ない産駒で戦っていた馬ですけど、この先は大変楽しみですし、種付料も受胎50万円が、今は受胎200万円になっていますので、自分の成績で自分の種付料を引き上げた馬ですから、楽しみな一頭ですよね。うちの社長の生産馬でもあります。

梅田キセキやソウルラッシュもそうですもんね。

遠藤今年はソウルラッシュを石川達絵オーナーとのご縁があってうちに預けていただけて、こちらの方も無事にシンジケートが組み上がり、もう事前に試験種付けもやっています。

梅田試験種付けって、どのようなことなのですか? 

遠藤現役上がりの種牡馬は、当然種付けが初めてなので、事前にこちらが用意したメス馬で試験種付けをします。これは正規の血統登録をするような馬ではないんですけど、メス馬を連れてきてホルモン注射をしまして、発情を起こさせて種付けができるような状態にします。新種牡馬を牝馬に近づけ、性欲をきちっと起こさせて、メス馬にマウントさせて最後まで種付けをさせます。そのうえで最終的には顕微鏡検査で精子を確認して、獣医さんから証明書を頂戴し、種畜検査をして合格ということです。

梅田要は種牡馬としてやっていけるかどうかというチェックなのですね。そういった子供ができるかとか、精子がちゃんとしているかどうかとか、を調べるんですね。

遠藤その通りです。今年はソウルラッシュ、ソールオリエンス、そしてプログノーシスと、3頭が新たに種牡馬入りしますが、どの馬も種付けは上手で、しかも勢いがあって意欲も満々です。まずは種付けに前向きでメス馬が好きだというのが大事な要素ですので、それはよかったなと思っています。

梅田子孫を残していただかないとですからね。下河辺牧場さんはロンドンブリッジがゆかりの血統として知られていますが、その血統を大事にしてきていることも伝わってきますね。

遠藤社長の方としても当然ながら大事にしている血統ですし、下河辺牧場は下河辺牧場として毎年多数の繁殖牝馬を海外から導入して、血統の入れ替えを図りながら種馬を付けて、ラインアップをそろえてしっかり運営していらっしゃいます。

(構成:スポーツ報知 坂本達洋)

梅田 陽子
セントフォース所属。学習院女子大在学中より、日本テレビ「きょうの出来事」お天気キャスターとしてデビュー。2006年よりグリーンチャンネルキャスターとして、中央、地方競馬に携わっている。情報、スポーツ番組MC・リポーター、イベントMCとして活動中。馬とお酒と音楽(ピアノとチェンバロとパイプオルガンの演奏をします)が好き。

吉田 俊介
1974年北海道出身。(有)サンデーレーシングの代表で、ノーザンファームの副代表。中山馬主協会理事(広報インタビュー担当)。

※この記事は 2026年3月23日 に公開されました。

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