
第9回
GI チャンピオンズカップ優勝
ジュンライトボルト 号
河合純二さん、裕明さん

3連勝でチャンピオンズカップ制覇となりました!
本当におめでとうございます!お気持ちをお聞かせ下さい。
純二さん
本当に夢にまで見たGI、チャンピオンズカップに今回勝利することが出来て、非常に感激、感動、嬉しくて…未だにまだ忘れられず、レースを思い起こしてはビデオを時々見るほど、GIってすごいな!というのを改めて感じました。
最高ですよね!!
裕明さん
嬉しくて笑顔が止まらない!ずっと笑いが絶えないです。表彰式の時もずっと嬉しくて嬉しくて、「笑顔が止まらない!どうしよう!?」と石川ジョッキーに話しかけていましたね。
74歳のバースデー勝利にGI制覇ということで、改めてどんな思いでしょうか?
純二さん
正直、誕生日というのは74年も経つと、ただ誕生日だなぁと。皆さんきっと、もちろん周りの方も誕生日だと祝福されていると思いますが、もう74ですから…。
ただそこにGIを勝利出来たということはものすごい嬉しさが違いますよね!
ですから偶然とか、たまたま誕生日にチャンピオンズカップがあって、そこに勝利できた。これはうまく重なったのでね。…もう最高の喜びだし、プレゼントだと思います!
何かお祝いはされましたか?
裕明さん
私、毎年大したものではないのですが、父の誕生日プレゼントを贈っておりまして、今年はもうチャンピオンズカップの勝利を贈ったので、何も渡していないです。
(レースに)行く前にこう言いました。「必ず勝って、それ(GI勝利)をプレゼントするよ!」と。だから今年は何も…。
チャンピオンズカップの勝利を贈れて良かったです!
では当日パドックの雰囲気、様子はいかがでしたか?
裕明さん
はい!体重もプラス体重になっていましたし、以前もう少し細かったのですが、その分がっしりとしたダート馬に変わったと言いますか、この日のチャンピオンズカップのために勝つんだなというイメージが湧きました。
あと中京競馬場に着いてどこに何があるのか分からずに居たら、西川会長がいらっしゃったので、ご挨拶をさせて頂いたところ、「河合ちゃんこっちおいでよ!」と西川会長が仰ってくださって、チャンピオンズカップが始まるまでずっと一緒に居て下さって、色々と気に掛けて頂きました。
「今日は絶対勝つよ!」と仰って頂き、大変心強かったですね。
すごく力をもらったので、もう本当に勝つイメージしかなかったですね。
そしてレースに向かう訳ですけれども、道中はイメージ通りに運べたと石川ジョッキーもお話しされていました。4コーナー回って少し窮屈な場面もありましたが、その辺りはどのようにご覧になっていましたか?
純二さん
私は正直言って、もう完全に内が壁になってしまって、内に入ってしまったのでどこで出られるかと…1番人気のテーオーケインズがバッと行った時に、後ろについた馬などが壁になっていて、一瞬そこが開いて一気に出られたので、そこから本当にゴール200mと言いますか、あの切れ味はもう半端じゃないですもんね!
私自身も長い間競馬をやって来ておりますが、大外を一気に駆け上がってきて、ごぼう抜きしていく馬は結構見たことがありますが、内から開いたところを2度3度、あんな風に交わすというのはそうそう見ないですし、びっくりしましたね!
本当に改めてジュンライトボルトの強さを感じました。
また、石川ジョッキーには「気楽に楽しんで乗って来て!」とレース前に伝えまして、「頑張ってね!」などと言うと却って緊張するじゃないですか…ですので、「気楽に楽しんで乗って来てくれれば良いよ」という事を伝えましたね。
裕明さん
私も先ほどもお伝えしました通り、西川会長がずっと一緒に居てくださって、会長と外に出て見ておりました。
会長が「良い出だしだよ!」などと、随時お伝え下さり、レースがその通りになったので、安心感しかなかったですね。
「出るよ出るよ!」に続いて「開くよ開くよ!開いたー!」「行くよ行くよ!一気に行ったー!」という西川会長の勝利の生実況の横で、僕は何も言葉を発しないで安心して見ている事ができました。
僕は勝つことしかレースの前に考えていなかったので、ゴール後「あ〜!勝ったんだなぁ」と呆然としているところに、西川会長が「勝ったよ!!!勝ったよ!!!はい!行くよ!」と仰られ、「どこに行くのですか?」「口取りだよ!着いて来な!」と言う様な勝利の瞬間でしたね。
オーナーは中山競馬場でご観戦されていましたが、その時はどのように喜びを爆発されましたか?
純二さん
中山競馬場の馬主席に居りまして、周りにも知り合いの馬主さんたちが数名いらっしゃった中、私も立ち上がって「行け!行け!」と応援しまして、「やったー!」と声が出ましたね!もう周りに恥ずかしいとかそういうのではなく、自然に「やったー!」と力が入りまして、とにかく馬群の間からスーッと開いた所を縫って一気に行ってくれたので、「行け!行け!」って力が入りますよね。
あの脚は改めてすごいなと思いました。
GI勝利をプレゼントしてくれたジュンライトボルトに、今どのような言葉をかけたいですか?
純二さん
いや、本当に馬が頑張ってくれました。よくここまで辛抱して頑張ってくれたという、その思いでいっぱいですね。
だからうちの息子にも、とにかく栗東に人参を持って行って、サウジカップに行く前に褒めてあげてくれと伝えたところでして…しがらきにも行って、馬に会って欲しいですね。
本当によくやってくれてやっぱりこのレースで吹っ切れたと言いますか、馬自体が大きく張った感じがするのですが。どうでしょうか…恐らく私はすごい力でサウジカップも勝ってくれるのではないかと思っているのですが、本当に5歳で開花したという感じですよね!
周りの方々の反応や、ご家族の様子はいかがでしたか?
純二さん
そうですね!皆様には本当に「おめでとうございます!よかった!よかった!すごいですね!」と感動して頂きました。
もちろん馬券を買っていた方には「いやぁ〜!儲けさせてもらいましたよ!」と喜んで頂けました。
改めてこの馬は「半端じゃない!本当に強い馬ですってね!」と周りの方々も喜んで下さったので、私は勇気をもらったと言いますか、ジュンライトボルトが皆様に勇気を与える事が出来た…そのような感じですね。
裕明さん
同級生にも馬が好きな友人たちが居りまして、そういう方達はただ馬が好きなんだなって思っていましたが、その中にも「おめでとう!すごい!見てたよ〜!」と連絡を頂いたりした時には、この人も競馬好きだったんだー!と初めて知った方も居たり、「この人も好きだ、この人も好きだ、この人も!」と言うように改めてその勝利を得ることによって、馬や競馬が好きな方がこんなに多かったんだなっていうことをすごく実感しましたね。
GIの凄さは、やはり同級生というだけで、わざわざ連絡頂けるほど…それだけの力を(この勝利は)持ってるんだなというのを改めて実感しました。
荒井オーナーからも連絡があったかと思うのですが、何かエピソードなどはございますか?
裕明さん
荒井さんにも話していたのですが、僕はいつも言っているのですが、勝つことしか、どんな馬でも思っていないんですよね。
リバーラの時も勝つと思ってましたし、ジュンライトボルトの時もそう思っていました。リバーラが出走して、GIでファンタジーSを走る前にジュンライトボルトが先に勝ち、重賞を順番に勝利しました。
次がGIとなった時に、「荒井さんの順番ですよ!」と伝えたのですが、荒井さんが心配になられてリバーラが走る前に連絡を頂きましてね…
「いやいや、荒井さん!勝つ気でいないといけないですよ!」というお話をしました。
残念ながらリバーラは勝つことはできなかったのですが、別にこれで終わりじゃないですし、まだまだ明けて3歳ですし、もちろんこの先が楽しみです。
GIを取れる機会もあると思います!
純二さん
荒井さんは自分のことのように喜んでくれて、いつも一番先に電話をくれるぐらい、もう本当に馬に対しての情熱が半端じゃないです。競馬新聞がありますと、5時間でも6時間でも見られています!
私が馬主を勧めた張本人ですから、馬主になって最初に重賞を勝てて、「本当に荒井さんはラッキーだよ!そういう人はまずいないよ!」と伝えたほどです。
では、今後の大きな目標などがあれば、ぜひお聞かせください。
純二さん
そうですね!ダートのGIチャンピオンズカップで勝利させて頂いて、今度サウジカップに出走するようになると思いますけれども、ひょっとしたらという思いで私は勝つと信じております。ドバイにもサウジカップの成績次第では行きたいと思っておりますが、それでも大きな夢はダービーよりも何よりも、有馬記念に出走して年末の大一番、その年の締めくりのビッグレースに勝ちたいですね!
自分が出たくてもファン投票ですからね、それだけの力がないと出走もできないですし、選ばれることもないと思います。
ダートと芝の違いがあったとしても、上手く成績を残せたら有馬記念に出走できる可能性は今年あると思いますので、とにかくそこへ出走出来るようになってほしいなと思います。
裕明さん
私はやはりサウジカップに行く以上は、サウジカップ必ず取りたいですね!
取るつもりでいます!
では最後に、中山馬主協会様にメッセージをお願い致します。
純二さん
私が馬主になって8年になりますけども、中山馬主協会さんに入らせて頂いて、こうして皆様方に本当に色々とお世話になりまして応援して頂きました。
今回のジュンライトボルトが勝利する事が出来たのは、皆様のお陰だと思っております。
本当に感謝しております。いつもいつも本当にありがとうございます。
裕明さん
そうですね!西川会長にチャンピオンズカップの時にずっと一緒に居て頂いて、背中を押してもらって本当に力を頂いたので、西川会長にはもう感謝しかないです。これからもぜひぜひよろしくお願い致します。
そして、サウジカップに勝つことが恩返しだと思っております。そこで勝って西川会長をはじめ、中山馬主協会さんの皆様、役員の皆様に喜んで頂けるよう勝利してくることが一番の恩返しだと思ってサウジカップに行って来ます!
追記
GIプレゼンターとしてチャンピオンズカップ当日に中京競馬場にいらっしゃった西川会長にも参加して頂き、レース当日の喜びの瞬間というのを詳細に振り返って頂きました。
西川会長も表彰台であまりの嬉しさにハグをした事が初めてだったという裏話もお伺い出来て、とても貴重な瞬間であったことが伝わって参りました。
常日頃思っておりますが、勝負の世界においても改めて中山馬主協会様のアットホームな雰囲気と皆様の仲の良さというのが良い成績に繋がっている理由の一つでもあるのだなぁと思わせてくれましたし、会員の方が勝利した際には必ずみんなで「手綱を取りに行く」というエピソードも感慨深いことだなぁと感じました。
また前回、シリウスS優勝インタビューでお話しを伺った際には、重賞を勝つ事の難しさというのも仰られていてその言葉がとても印象に残りましたが、ダートの頂点をチャンピオンズカップで掴み取り、それも河合純二さんオーナーの74回目のお誕生日を勝利で飾ってくれたジュンライトボルト号の勝負強さは、きっとサウジカップでも大きな武器になると思います。
今の勢いでぜひサウジカップ制覇の喜びのお声をまた伺えますよう、私も日本から全力で応援させて頂きたいと思います。
貴重なお時間をありがとうございました!

(インタビュー・文/田中歩)
※この記事は 2023年2月8日 に公開されました。

インタビューアー
田中歩(たなか あゆみ)
茨城県出身。客室乗務員を経てフリーアナウンサーに転身。
現在、グリーンチャンネル「海外競馬中継」など各メディアで活躍中。
父は皐月賞馬ロゴタイプなどを管理した美浦の田中剛調教師。

マオノアラシ 号
湯浅健司さん、智美さん

エコルフリューゲル 号
鈴木昌樹さん

カワキタアジン 号
川島徹郎さん

ジュンライトボルト 号
河合純二さん 河合裕明さん

バイオアート 号
小島章義さん

セキテイオー 号
杉山元洋さん

リバーラ 号
荒井泰樹さん

リバーラ 号
荒井泰樹さん

ホノノディーヴァ 号
鈴木誠さん

ジュンライトボルト 号
河合純二さん 河合裕明さん

ハローサブリナ 号
小林誠さん

ノースブリッジ 号
井山登さん、房子さん