きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ケンタッキーダービーへの道 (2)

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《ロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービー》はプレップレースもほぼ終わり、いよいよ5月2日の大一番を迎えるばかりになっています。勢力図で言うと、今年は名門ボブ・バファート厩舎が一歩グンと抜け出している格好でしょうか。2歳時から前評判の高かったアメリカンファラオは、大トリよろしくプレップシリーズ最終戦アーカーソンダービーに姿を現わすと、一連の戦いで降着を含めて2着3回の銀メダリスト・アップスタートに8馬身半という決定的な差をつけて完勝。皇帝の馬名に違わぬ底知れぬパワーを見せつけました。

日本に来ているエンパイアメーカーの孫にあたります。祖父エンパイアメーカー(皇帝づくり)、父パイオニアオブザナイル(ナイル流域の開拓者)そしてファラオ(エジプト皇帝の尊称)と分かりやすいストーリー仕立ての馬名も大衆的人気の秘密でしょうか。鳴り物入りで輸入された祖父エンパイアメーカーも今年は2年目産駒のデビューで勝負の年、故国に残してきた孫の孝行を追い風にさらなる飛躍を遂げるんでしょうか。

バファート厩舎のもう一頭、ドルトムントは6戦6勝と底を見せないままここまで破竹の快進撃を重ねてきました。ドルトムントとは、日本の香川真司選手がプレーするドイツのサッカー強豪チームが馬名の由来でしょうか?何だか強そうに思えてきます。カジノドライヴのベルモントS遠征時の敵役ビッグブラウンの初年度産駒ですから、馴染みといえば日本でもお馴染みです。今年はカジノの初年度産駒もデビューします。月日の経つのは早いもので、戦いはもう次のステージへ移っているのですね。ベルモントではカジノは挫石で出走取り消し、ブラウンも裂蹄で競走中止と不完全燃焼に終わっています。どこかで海を越えた因縁の対決・第2章が実現しないものでしょうか。アメリカ中のファンはきっと大喜びでしょうね。

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