きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

香港のスプリント王、日本でも

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29日、日本国内では春のスプリント王決定戦・高松宮記念が行われました。
人気は昨年秋のスプリンターズ2着、暮れの香港スプリントでは3着に入ったストレイトガールで単勝5.1倍、前哨戦の阪急杯を勝ったダイワマッジョーレが同じく5.1倍で1、2番人気をわけあい、次いでミッキーアイルが5.2倍で僅差の3番人気、香港から参戦のエアロヴェロシティが6.5倍で4番人気、昨年の覇者コパノリチャードが7.7倍で5番人気、ハクサンムーンが16.8倍で6番人気、以下、リトルゲルダ、レッドオーヴァルとつづき、上位5頭が拮抗。ロードカナロアが引退以降、日本のスプリント界は絶対王者不在のまま混沌とした時代に突入し、2015年春もその流れを象徴するようなオッズとなりました。

勝ったのは香港からやって来たエアロヴェロシティでした。直線で先に抜けだしたハクサンムーンを猛追し、馬体を合わせて迫ってきたミッキーアイルを振りきっての勝利でした。ゴール後、鞍上のザカリー・パートン騎手は右拳をつきあげガッツポーズし、喜びを爆発させました。ザカリー・パートン騎手は香港のリーディングジョッキーで日本での初のG1制覇になります。またスプリンターズではサイレントウィットネスやウルトラファンタジーの優勝はありましたが、高松宮記念の香港馬の優勝は初となりました。

エアロヴェロシティは昨年の暮れの香港スプリントでストレイトガールにスノードラゴン、リトルゲルダと日本から参戦した3頭を一蹴しスプリント王に輝いているのですから実力ではトップクラスなのですが、それでも日本の土壌でこうも強い姿を見せられると改めて香港の底力を感じさせられた以上に、国内のスプリント路線へも視線が向けられました。どの馬でもいいから実力で抜けだしてほしい、そして国内にとどまらず海外にチャレンジしてほしい。今年の高松宮記念は、そんな思いも抱かされたレースとなりました。

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