きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ドバイ千夜一夜物語【後】

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今年のメイダンで日本のファンがいちばん期待を寄せているのがハープスターなどが出走するシーマクラシックだと思うのですが、かなり骨っぽいメンバー構成になりました。フランスのフリントシャーはご存じ凱旋門賞2着馬。その後もBCターフ2着と転戦し、香港ヴァーズでは勝利を収めています。今季もシャンティイを一叩きして態勢は万全のようです。重厚な欧州仕様というわけでなく、固い馬場で切れるとアンドレ・ファーブル調教師もコースを選ばない自在性を評価しています。世界のどこへ行っても実力を出し切るのでしょうね。そのフリントシャーにBCターフで土を付けたのが、英ダービー2着馬ながらアメリカに移籍して才能開花させたメインシークエンス。目下5連勝中と勢いが止まりません。種牡馬として来日しているアルデバラン産駒でもあり、種付けシーズンの季節柄、生産者の皆さんも注目するんでしょうね。

勢いなら香港のデザインズオンロームが最右翼でしょうか。せん馬が主体で競走馬生命が長い香港にあって、並みいる古豪を打ち負かしてチャンピオンの座に登りました。今回は慣れない2400m級のレースですが、フレッシュさ、未知の魅力という面で目が離せません。スミヨン騎乗のアガ・カーン殿下のドルニヤは前走のシャンティイでフリントシャーに先着しています。イギリスの1000ギニー馬ジャストジャッジにハープスターも加えて牝馬勢の上昇気配もこのレースのポイントでしょうか。バラエティ豊かでちょっとした世界選手権の趣きです。ワンアンドオンリーも世界に名を売り出すチャンスでしょう。

他で注目しているのが、ドバイターフと名称変更した旧ドバイデューティフリー、昨年ジャスタウェイが世界一の座を奪取したレースです。ザグレイギャッツビーは地味めなのですが、巨匠オブライエン調教師ご自慢の英愛ダービー馬オーストラリアと1勝1敗でしたから、オーストラリアなど有力馬が引退した欧州2000m級では暫定チャンピオンといった格好です。ちょっとここでは負けていられない気がするのですが。大一番のワールドC、怪物級の噂が高いゴールデンバローズのUAEダービー、今週末は豪華絢爛なアラビアンナイト、寝ている場合じゃありません。

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