きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

人気なくとも侮ることなかれ

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日曜中山競馬場では皐月賞トライアルのスプリングステークスが行われました。
1番人気は共同通信杯を勝ったリアルスティールで2.0倍、2番人気は朝日杯フューチュリティステークス馬ダノンプラチナで3.5倍、3番人気が京成杯を勝ったハービンジャー産駒のベルーフが6.9倍と上位人気が形成されてのレースとなりました。リアルスティールにダノンプラチナと人気を分けた両頭でしたが、最終的には朝日杯フューチュリティステークスを勝ったダノンプラチナよりもリアルスティールがオッズは上でした。無敗、あるいは前走の共同通信杯が期待をさらに高めたレース内容だったと言えるでしょう。

しかし勝ったのは、リアルスティールでもなくダノンプラチナでもなくキタサンブラックでした。キタサンブラックは演歌歌手・北島三郎さんの愛馬です。北島三郎さんは2001年のキタサンチャンネル、キタサンヒボタン以来、実に14年ぶりの重賞制覇だったようです。キタサンブラックはスタートから先手を奪い逃げて、1000mの通過タイムが1分2秒6のマイペースでレースを進めました。同じ日の5レースで行われた3歳未勝利戦(芝2000m)の1000m通過タイムが1分0秒7でしたから、それと比較しても実にうまくペースを落として馬場内側をロスなく進み、軽快に逃げ切りました。リアルスティールも外から追い込み、またダノンプラチナも馬場真ん中から差を詰めたものの、直線でさらに後続を突き放しにかかったキタサンブラックを捉えきれることはできませんでした。

勝ったキタサンブラックですが、新馬戦、500万下につづいてこれで3連勝です。父ブラックタイド、母父サクラバクシンオーの血統で、新馬戦は3番人気、前走500万条件は9番人気、今回は5番人気での勝利でした。人気が目立ちにくい中での勝利でしたから次走皐月賞本番ではどうかとなりそうですが、今回のレースもさることながら、2戦目の500万下でのレースを見る限り本番でも侮れない存在になりそうな感じもうけます。2戦目の東京コースでは大逃げをうったマイネルポルトゥスを離れた2番手で追走。直線に入り追い出されるとそこから力強く伸びて最後は3馬身突き放しての勝利でした。皐月賞本番でも、逃げ馬不在ならば1997年のサニーブライアンのように逃げ切ってしまうかも?

いずれにしても、本命、伏兵など役者が揃ってきた皐月賞が楽しみになってきました。

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