きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

春へと向かう風

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京都競馬場で行われた3歳重賞のきさらぎ賞は、牝馬で1番人気のルージュバックが直線で逃げるネオスターダムを追いかけ残り200mでさらりと交わし、最後はポルトドートウィユに2馬身差をつけての完勝。無傷の3連勝で重賞初制覇を果たしました。
きさらぎ賞は今年で55回目となりますが、牝馬の優勝は1964年に優勝したフラミンゴ以来、実に51年ぶりとなるそうです。
当時はダート1200m戦でのレースでしたから、芝でのレースとなった1970年からの歴史でみれば牝馬の同レース制覇は初の快挙となりました。

昨年暮れにジェンティルドンナが引退したかと思ったら、ルージュバックというまた凄い馬が現れたものです。
牡馬相手でも臆することなく堂々たるレース内容でした。

ルージュバックは父マンハッタンカフェで母父Awesome Againの血統です。
Awesome Againは現役時代3歳時はG2のジムダンディステークスを勝ったくらいでしたが、古馬になってから才能を開花させ6連勝。引退レースとなったブリーダーズカップクラシックでは、スキップアウェイ、シルバーチャーム、スウェインらの強豪を退け花道を飾っています。
父マンハッタンカフェも菊花賞で重賞初制覇とともにG1の称号を手にし、有馬記念、翌年の天皇賞(春)と頂点に立った馬でした。

ルージュバックはこれからさらにどれだけ強くなっていくのでしょうか。春へと向かう風の中に、末恐ろしくなりそうな予感を感じさせる1頭が現れました。

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