きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

才能を開花するためのステップレース

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日曜は中山競馬場で行われる京成杯は今年で55回目の歴史を数えますが、京成杯というと名馬が満天下に突出した才能を示すレースというよりは、のちに才能を開花するためのステップレースといった印象があります。
実際、2010年にエイシンフラッシュこそ優勝すれど、古馬になり宝塚記念を勝ち凱旋門賞2着したナカヤマフェスタは京成杯では2着でしたし、エリザベス女王杯を勝ったリトルアマポーラは4着、NHKマイルカップを優勝しジャパンカップダートでダート路線での頂点に立ったイーグルカフェもこのレースではアタマ差の2着でした。少し古いですが、男勝りの走りで女王に君臨したヒシアマゾンも京成杯では2着に終わっています。

その印象を強くしているのが2004年のキングカメハメハです。
キングカメハメハは、2歳暮れにアドマイヤベガやクロフネ、アドマイヤグルーヴら多くのG1馬を送り出しているエリカ賞を勝ち、この京成杯でも1番人気に支持され注目を集めての出走でした。
しかし逃げるマイネルマクロスを捉えきれず、大外から末脚を伸ばしたフォーカルポイントに交わされ、キングカメハメハは0.8秒離されての3着でした。現役生活で唯一敗れたのが京成杯です。

鞍上したバルジュー騎手もレース後に「まだ何をしていいか分からずに走っている感じで、自分の力をフルに発揮できない様子。でも将来はチャンピオンになる器を持っているよ」とキングカメハメハについて語っていました。
またこの年のレースでは、のちに天皇賞(春)を制するスズカマンボも出走していましたが4着でした。

今年は17頭の有望な若駒が揃いました。ぜひ可能性という魅力を見せてください。

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