きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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この時期になると日本、欧州、北米など北半球地域ではG1レースを舞台に3歳馬と古馬の対決が始まります。

先週のアイルランド・カラ競馬場2000mのプリティポリーSは、昨年の英オークス1、2着馬ワズとシロッコスターに3歳馬がチャレンジするという構図でしたが、4歳の上がり馬アンビヴァレントがワズに半馬身先着、シロッコスターがクビ差で3着と古馬勢に凱歌が上がりました。

3歳最先着はシロッコスターから半馬身遅れたハラシア、アガ・カーン殿下のオーナーブリーダーホースです。頑張ったとも言えるし、約5.5キロ貰いの斤量差を考えれば、いささか物足りない気もします。古馬勢が押し切るのか、成長盛りの3歳が追い上げるのか、この一戦だけでは3歳VS古馬の力関係を即断できませんが、そのどちらとも取れるプリティポリーSだったと思います。

今週は英サンダウン競馬場のエクリプスSに舞台が移ります。G1連勝中の5歳アルカジーム、昨年の二冠4歳キャメロット、昨年のワズのオークスで3着だった4歳牝馬ザフーガはプリティポリーSではなく敢えて牡馬混合戦に挑んできました。前走の今季緒戦をアルカジームの3着して上り調子です。フーガ(遁走曲)と音楽用語が由来の馬名から分かるように、歴史的ロングランとして世界中の劇場を沸かすオペラ座の怪人、その作曲家アンドリュー・ロイド=ウェバー夫妻の愛馬です。日本でも劇団四季の定番コンテンツになっていますね。

さて、これら強力古馬陣に挑むのがオブライエン厩舎のマーズ。デビュー戦を圧勝、ダービー候補の筆頭に挙げられた素質馬です。今季は復帰戦の2000ギニー、次走ダービーとも6着止りでしたが、前走セントジェームズパレスSは3着と素質の片鱗を見せました。3歳勢のレベルを測るには手頃な物差しというイメージもあり、この一戦に注目したいと思っています。

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