きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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国際的というよりヨーロッパ的には今年の千秋楽結びの一番的な香港国際競走が10日後に迫りました。ご存じのように1200mのスプリント、1600mのマイル、2000mのカップ、2400mのヴァーズと4つのカテゴリーの基幹距離で争われるG1レースです。優勝賞金はいずれも1億円を超え、もっとも格上の香港カップはほぼ2億円に達します。ヨーロッパからの参戦も常態化して、いま香港競馬は右肩上がりの勢いで成長しています。成長度合はたぶん世界一ですね。

高額賞金も魅力ですが、お馴染みの距離設定に違和感がなく、もともとがイギリス領ですから、ヨーロッパのホースマンには自分の庭続きのような安心感があるんでしょう。これが日本となると、香港とは時差わずか1時間、5時間程度のフライトで行き来できるのに、遥か彼方の極東の地になってしまうのですから、人間心理は不思議なものです。やはりこうした歴史的に堆積された深層心理の綾や文化的な隔たりを埋めないと、ジャパンCや有馬記念などへ気軽に日本遠征とはならないのかもしれません。

今年の香港、日本からは各カテゴリーに大挙10頭が参戦します。昨年のロードカナロアのような絶対エースは見当たりませんが、なかなかの粒揃いです。これまで日本調教馬はすべてのカテゴリーで勝利を挙げています。難攻不落と思われたスプリントもロードカナロアが軽々と連覇を成し遂げました。しかしあの馬の強さは特別でしたから、普通の一流馬ではまだハードルが高いのも事実でしょう。ライバルの動向も含めた今回の勢力地図は来週お送りします。

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