きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ブリーダーズカップのレッドディザイアは残念でした。でも、4着はBC史上で日本調教馬最良の着順です。お疲れさまでした。ご苦労さまでした。

さて、これまでBCに挑戦した日本馬は5頭延べ6レースです。最初は1996年のタキブリザードのクラシック出走、藤沢和雄調教師、岡部幸雄騎手の黄金コンビでの挑戦です。残念ながら13着に敗れますが、このコンビは翌年も挑戦、6着と掲示板まで後1歩のところまで迫ります。タイキブリザードのこの着順が過去最高でした。

2000年にはマルターズパープとアグネスワールドがともに武豊騎手を背にチャーチルダウンズに登場しますが、マルターズ13着、アグネス8着と敗退してしまいます。アグネスワールドはアベイユロンシャン賞、ジュライCと海外G1を2勝して遠征に強いイメージがありましたから期待も大きかったのですが小回りが合わなかったのでしょうか。

2004年のパーソナルラッシュは鞍上に世界のデットーリ騎手を迎え期待されたのですが、6着とタイキブリザードに並ぶところまでがゴールでした。2008年はサンタアニタのオールウェザーと特殊な条件で“期待の星”カジノドライヴは12着に沈みました。日本馬で初めてアメリカのダート重賞制覇の勲章を下げての挑戦でしたが、もしダートだったらという思いはあります。ちなみにサンタアニタ競馬場は来年からオールウェザーを廃止、ダートコースに戻すそうです。

タイキブリザード以来15年がたっています。それにしては日本馬の遠征が少ないのは、輸送費に加えて登録料が高いことに原因がありそうです。海外G1は登録料が高いのですが、中でもBCは破格です。勝たない限り遠征馬オーナーの懐が潤うことはありません。

“敗者には何もやるな”ということなのでしょうが、これはこれでルールというか“文化”なのですから仕方がない。JRAが助成金を大幅に増額するとかしないとなかなかチャレンジする勇気も湧いてきません。海外からの遠征馬に賞金を倍付けするジャパン・オータムインターナショナルもいいのですが、日本のホースマンの勇気を鼓舞する制度を考えるのもけっこう大事なことではないでしょうか。

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