きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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オルフェーヴルの現役生活に幕が降りました。最後のレースとなった有馬記念は、4コーナー手前で前を走るゴールドシップを置き去りにして先頭へ立ち、直線では後続を突き放す一方的なレースで、終わってみれば2着のウインバリアシオンとは8馬身差をつけての有終の美でした。

オルフェーヴルのたどってきた軌跡を振り返ると、2011-03-11日の大震災で日本全体が混沌としていたあの時期を思い出します。皐月賞を控え、クラシック候補馬が徐々に隊列をなし始めていた3月、未曾有の大震災が日本を襲いました。当時開催されていた2回中山は震災の影響で中止。トライアルのスプリンターズステークスと皐月賞は東京競馬場での代替開催となり、オルフェーヴルは連勝でまずは一冠を手にしたのでした。

つづくダービーは電力不足の懸念が色濃く残り続けた中でのレースでした。東京競馬場内の照明は抑えられ震災の混沌が残りつつも、オルフェーヴルはレースで力強さを強烈にファンに印象に残しました。

オルフェーヴルの怪物ぶりがさらに際立たせたのは、2012年の阪神大賞典でした。誰もが国内レースよりも目線は秋の凱旋門賞へ向かう中、向こう正面でまさかの大逸走、他馬とは1頭だけ違う別コースを走っての2着でファンを驚かせました。

凱旋門賞での神脚も忘れることができません。オルフェーヴルは語ることが尽きない馬でした。その激しくて荒ぶる気性は仔にどのように受け継がれていくのでしょうか。物語の続きを楽しみに待ちたいと思います。

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