きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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昨日7日の川崎競馬場で調教試験が行われました。地方競馬では長期休養明けの馬などにレースをまっとうできる仕上がりに達しているかを実戦形式で確認します。この調教試験に地方の英雄フリオーソが登場してきました。船橋所属の彼が川崎に出向いて試験を受けたのは、もちろん今月25日の川崎記念に出走するためです。

昨年9月の日本テレビ盃を取り消して以来、実戦となると5月のかしわ記念から8カ月ぶりになります。デビュー以来、ほぼコンスタントに使われてきてこれだけの長休明けは初めてなので不安がないと言えば嘘になるでしょう。これだけの馬ですから、まずは無事に走ってきてほしいです。

フリオーソには種牡馬としての期待も大きいと思います。父ブライアンズタイムは三冠馬ナリタブライアンをはじめ、サニーブライアン、タニノギムレットと3頭のダービー馬を輩出、SS全盛時代に素晴らしい活躍を見せてくれました。しかしナリタブライアンの早逝という不幸もあり、ギムレットがウオッカを出した以外は、期待に応えられているとは言い難い現状です。

フリオーソは素晴らしい馬体の持ち主であり、母系はヨーロッパで大活躍した一級の牝系に属しています。4代母トリリオンはG1ガネー賞を牡馬相手に勝ち、凱旋門賞などG1戦線で2着を10回も記録した女丈夫。フリオーソも2着の多い馬ですがトリリオンの遺伝子?

トリリオンは“鉄の女”トリプティクの母となります。ヨーロッパでG1を9勝もした歴史的名牝です。このトリプティクの全妹がフリオーソの曽祖母ですね。頑丈に走り続け、ゆっくりと力を付けながら、古馬になって真価を発揮する馬主孝行な血統です。ダートは無論のこと、芝も走って不思議はないでしょう。

ちょっと話が先走り過ぎました。無事に走り続け、ライバルにカネヒキリ、サクセスブロッケン、ヴァーミリアン、スマートファルコン、トランセンドなどここ数年のダート界の歴史を体現するような馬です。ぜひ歴史に新しいページを書き加えてください。

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