きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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去年のちょうど今日、シンザン記念が行われています。勝ったレッドデイヴィスは前走は500万下を降着、2着のオルフェーヴルは京王杯2歳Sを10着と大敗していました。どちらか言うと2歳戦線の負け組同士のイメージでした。

その“落ちこぼれ”同士が1年後には三冠馬になったり、セン馬の身で重賞を3つも勝ったりするのですから、サラブレッドの運命なんてものは分かりません。3着に後の桜花賞馬マルセリーナが入ったこのレースで堂々の1番人気を張ったのがドナウブルーという牝馬です。

昨日のシンザン記念を快勝したジェンティルドンナのお姉さんですね。父もディープインパクトで同じです。この姉妹のようにリファールのクロスを持つディープ産駒は、サンデーサイレンスの血とあいまって気の強さが前面に出過ぎ、折り合いに苦労するタイプが少なくないようです。

母ドナブリーニはG1チェバリーパークSを勝った快速馬その父はダンチヒ系のベルトリーニですから姉妹のスピード指向はさらに強化されています。ベルトリーニは英仏スプリントG1戦線で活躍した一流馬で近親にはダンチヒの後継種牡馬グリーンデザートがいます。ケープクロス、オアシスドリームなどを通じて父系を広げ、日本ではシンコウフォレスト、メジロダーリングなどやはりスプリンター色の濃い産駒が活躍しています。

歴代の桜花賞馬で言えばニシノフラワーでしょうか。母父にダンチヒを持つ彼女はスピードに違いにモノを言わせて桜花賞を勝ちますが、その年の暮れにはスプリンターズSを制覇します。適性はここにありました。

ジェンティルドンナ、イタリア語で貴婦人を意味するそうです。ニシノフラワーの頃のスプリンターズSは12月開催でしたが、現在は秋の中山に移設されています。3歳牝馬には敷居の高い番組編成ですが、1年後の貴婦人がどんな佇まいを見せているか興味深いですね。

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