きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週行われる高松宮記念を前にテレビCMではキングヘイローの勇姿が流れています。長くさまよい続けた彼が手にした初のG1の勲章がこのレースでした。

父は1980年代ヨーロッパ史上最強と呼び名が高い凱旋門賞馬ダンシングブレーヴ。母は米G1・7勝の名牝グッバイヘイロー。イギリス紳士とアメリカの淑女の血を受け継いだキングヘイローは、デビュー3連勝で東京スポーツ杯3歳Sをレコードで制し、世界的な良血馬として早くからその片鱗をみせます。しかし翌年の三冠クラシックロードでは3戦0勝。ダービーでは前へ前へと突き進みつづけ14着の結果でした。

その後、キングヘイローは東京新聞杯、中山記念と重賞タイトルを手にするもG1では結果を出せないレースが続きました。苦悩の末にダート路線に切り替えフェブラリーSへ出走したこともありました。しかし1番人気に推されるも見せ場すらつくれず13着。成功を義務づけられた血は、険しい道程に迷走し続けました。そして迎えた2000年の第30回高松宮記念だったのです。

G1出走11戦目となる舞台で彼は父譲りの末脚を爆発させます。後方を進んだ彼は、4コーナーで大外に進路をとると怒涛のように追い込みをかけディヴァインライトのクビ差前にゴールを駆け抜けました。長い霧がようやく晴れたのがこの高松宮記念でした。

今年、同じ中京を舞台にどんなドラマが生まれるのでしょうか。出走各馬のみなさん、ぜひ名レースを見せてください。

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