きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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サクラユタカオーが亡くなったそうです。通算12戦6勝、歴代名馬に比べると凡庸にも映りますが、中距離では、毎日王冠など1800mは4戦4勝、2000mは天皇賞のレコード勝ちを含めて2戦2勝と無敵でした。

天皇賞秋が距離短縮されて3年目、前年に帝王シンボリルドルフが“アッと驚く”ギャロップダイナの強襲に思わぬ不覚をとったことから、王者決定戦としての価値に疑問を呈する意見も出ていました。

そんな逆風をユタカオーのスピード感あふれる快走が吹き飛ばしてくれたような気がします。天皇賞秋が日本競馬を代表するレースとして定着したのはこの馬の功績がとても大きかったように覚えています。

競走馬としてはあり余る才能で中距離馬として大成しましたが、種牡馬としてはスプリンター、マイラーとして本来のスピードを伝えてくれました。

サクラバクシンオーを経てショウナンカンプへと爆発的なスピードを発揮しています。エアジハード、ショウワモダン親仔はともに安田記念制覇。先日の京王杯2歳Sをバクシンオー産駒グランプリボスがV、外国産馬も含めて、これだけ血が繋がっていくのは珍しい。

ユタカオーはかつてチャンピオンサイアーに君臨したテスコボーイの血脈を今に伝えてくれています。オールドファンにはそれも嬉しいことですね。28歳といいますから大往生でしょうか。お疲れさまでした。安らかに眠ってください。

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