きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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ネイティヴダンサーという馬がいます。1950年代前半に22戦21勝の戦績を残した歴史的名馬です。

当時はテレビの普及期で競馬中継も行われ人気を集めていました。まだモノクロの時代なのですが、芦毛の彼は見分けやすく、しかも強いのですからテレビスターとして打ってつけでした。馬群にいた彼がいつの間にかスルスルと先頭に立つ姿はグレイゴースト(灰色の幽霊)、グレイファントム(灰色の幻影)と呼ばれお茶の間のファンたちを熱狂させました。

共同通信杯でもそうでしたが、皐月賞のゴールドシップはまさにグレイファントムの再来でした。ネイティヴダンサーのレースは見たことがありませんが、たぶん、あんな風だったのでしょうね。楽しみな馬が出てきたものです。

さて、ヨーロッパでも本格的な平地シーズンが始まり、昨日はフランスのロンシャン競馬場でフォンテーヌブロー賞、グロット賞が行われました。ともに本番と同コース、同距離のギニー前哨戦です。

フォンテーヌブロー賞には5戦5勝で2歳王者に輝いたハットトリック産駒のダビルシムが今季緒戦に臨みましたが、スローな流れで掛かり気味、短頭差の2着に敗れました。連勝が途切れたのは残念ですが、本番へ楽しみを繋ぎましたね。

グロット賞にはディープインパクト産駒のビューティーパーラー、ここまで2戦2勝と底を見せないレースぶりでしたが、初重賞のここもアッサリ4馬身半抜けて快勝しています。ディープインパクトにとっては海外重賞初制覇の快挙。海の向こうもこちらも華やかなシーズンに突入しました。

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