きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今年のオークスでは桜花賞馬ジェンティルドンナが二冠をかけてレースへ挑みます。距離が2400mに伸びるということもあるのでしょうか。これまで桜花賞・オークスを制し牝馬二冠となった馬はわずかに6頭。2006年、キストゥヘヴンは強烈な末脚で桜花賞馬となり優駿牝馬の舞台で二冠に挑みました。

キストゥヘヴンには、二冠を後押しする血もありました。父アドマイヤベガの母ベガが1993年に同じ舞台で桜花賞につづき花を咲かせていたのです。しかし、キストゥヘヴンの前に強烈な壁が立ちはだかります。前走のスイートピーSでド迫力の走りを見せたカワカミプリンセスが無敗でこの舞台に姿を現したのでした。

レースはヤマニンファビュルが大逃げをし、前半1000メートル通過58秒1の超ハイペースで進みます。後方につけ末脚にかけるキストゥヘヴンをよそにカワカミプリンセスは直線手前で早めに仕掛けました。いい脚を長く使う、それがカワカミプリンセスの持ち味でした。レースはレコードタイムからコンマ1秒迫るタイムで決します。タフな流れとなったことで、キストゥヘヴンの爆発力は奪われ二冠は夢と終わりました。デビューから85日目、オークスとは相性がなかったスイートピーSを路線に選んだカワカミプリンセスがこの年の優駿牝馬に輝いたのでした。

さて今年、この二冠の高き壁をジェンティルドンナは乗り越える越えることができるのでしょうか。

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