きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今月5日、チャーチルダウンズのケンタッキーダービーは、史上最高の16万5000人あまりの観客を集め、これも史上最高の売上を記録したそうです。

レイチェルアレクサンドラ、ゼニヤッタ、ハヴァグレースとアメリカでは3年連続で牝馬が年度代表馬に輝き、それはそれで素晴らしい出来事だったのですが、やはり強い牡馬が出現しないと盛り上がりに欠けます。そんなアメリカの人たちの“ヒーロー待望”気分がチャーチルダウンズ競馬場を人波で埋めさせたのでしょう。

そして待望のヒーローが現れました。アイルハヴアナザーという馬でダービーのみならず、プリークネスSも制して34年ぶりの三冠に王手をかけました。来月9日のベルモントSの盛り上がりが目に浮かびます。

さて、アイルハヴアナザーは父がフラワーアレイ、日本ダービー出走のスピルバーグの半兄ですね。スピルバーグはプリンシパルSでダービー切符を手にしました。このレースからダービー馬はまだ出ていません。

個人的に惜しかったなと思っているのは01年のミスキャスト。デビュー2戦目で弥生賞に挑みアグネスタキオンの3着、3戦目の皐月賞でも掲示板まで一息の6着に好走し、素質の高さを確信させました。そしてプリンシパルSを快勝してダービーに駒を進めますが、レース中の骨折で無念のリタイアに涙を飲みます。

父サンデーサイレンス、母ノースフライトという良血です。母は牝馬で唯一、安田記念、マイルチャンピオンシップのマイルG1を連覇した史上最強クラスの名牝でした。彼女はトニービン産駒で東京コースの走りは超一級品、ダービーを走らせてみたかったという思いが強く残ります。でも先月の天皇賞春をビートブラックが激走して、ミスキャストの秘める素質が本物だったことを証明しました。

ところでスピルバーグ、超良血馬であり、早くから重賞戦線で好走、ラストチャンスを掴んだところがどこかミスキャストとイメージがかぶります。そう言えばミスキャストの主戦も横山典弘騎手でした。一枠一番から一世一代の大駆けを見せてくれないでしょうか。

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