きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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7月21日にイギリスのアスコット競馬場で行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSにダービーを制したディープブリランテが登録を行いました。

今年で62年の歴史を持つKジョージ6世&QエリザベスSにはこれまで日本からはスピードシンボリ(1969年)、シリウスシンボリ(1985年)、エアシャカール(2000年)、ハーツクライ(2006年)の4頭が出走しています。なかでも2006年ハーツクライが出走したレースは、わずか6頭立てのレースとなるもののキングジョージ史上の名勝負と賞賛され観る人の心を奮い立たせるレースとなりました。

この年ハーツクライはドバイへ遠征しドバイシーマクラシックでウィジャボードに4馬身差で圧勝し、アスコットの地に乗り込んできます。そのハーツクライを待ち受けていたのが、前年の凱旋門賞馬ハリケーンラン、ドバイワールドカップ優勝馬エレクトロキューショニストでした。

鞍上するルメール、スミヨン、デットーリの名手が3頭の手綱を握り緊張感あふれる駆け引きを展開します。先に仕掛けたのはエレクトロキューショニストでした。ハリケーンランをかわし先頭へ立ったエレクトロキューショニストはそのままゴールへと突き進みます。しかしその外からハーツクライが力強く伸び、エレクトロキューショニストを交わして先頭へ立ったのでした。それは日本産・日本調教馬初の欧州G1制覇を誰もが夢見た瞬間でもありました。

レースは最内からハリケーンランが意地を見せ決着します。ハリケーンラン、エレクトロキューショニスト、ハーツクライ。三強が激しく激突したレースは、翌朝のレーシングポストで「グランディとバスティノが叩き合った75年以来、最も人々の視線を釘付けにしたキングジョージだった」と書き讃えられました。

ディープブリランテの出走は馬の状態を見ながらのようですのでディープブリランテの出走は馬の状態を見ながらのようですので最終決断はもうしばらくあとになりそうですが、今年はエリザベス女王在位60周年と特別な年。ぜひ日本馬がその舞台へ立てることを願っています。

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