きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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走る苦しみではなく走る喜びを求めて、三冠馬オルフェーヴルが今年3度目のレースとなる宝塚記念の舞台に立ちます。

振り返れば、今年初戦の阪神大賞典では池添騎手がなだめるも勝負どころ手前で抑えがきかなくなり大きく逸走。その後、驚異の走りで2着に追い込み、怪物ぶりを披露したオルフェーヴルは、次走となる天皇賞・春でその実力を圧勝劇で証明するものと期待されていました。

しかしその天皇賞・春でオルフェーヴルはまさかの11着と大敗してしまいます。舞台に立つまでの過程はオルフェーヴル、そして陣営にとり決して平坦の道ではありませんでした。命じられた平地調教再審査に、気の悪さを出し大敗した過去から激しい気性を抑え込む調教、メンコの着用。レースでは後方待機に切り替えるも、オルフェーヴルは三冠、有馬記念で魅せた荒ぶるレースぶりとは別馬ような気持ちが入っていない走りとなってしまったのです。それは自由な走りを求めるオルフェーヴルと、オルフェーヴルの実力を最大限に引き出そうとする陣営の想いがどこかチグハグだったようなレースにも思われました。

ファン投票1位に選ばれ、宝塚記念への出走を決めたオルフェーヴルは、春のG1を締めくくるグランプリで圧倒的な実力を取り戻し王者復権できるでしょうか。秋に続く夢に喝采するようなレースをぜひ魅せてください。

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