きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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明日のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSに出走のディープブリランテは一口に“キングジョージ血統”ですね。バステッド4×5のクロスを持っていますが、バステッドは67年、その母父ヴィミーは55年の勝ち馬です。産駒ムトトも88年にキングジョージを制しています。

父ディープインパクトの曽祖母として有名なハイクレア、この女王陛下の愛馬もキングジョージ2着の戦績があります。偉大な名牝にバステッドを配合した“キングジョージ血統”がディープの祖母バークレアということになります。彼女の全妹ヘイトオブファッションはナシュワンを出し、89年に2000ギニー、ダービー、キングジョージを制覇しました。ちなみにナシュワン産駒スウェインは97年と98年に連覇を達成、ハイクレアの血の確かさを見事に証明しています。

ブリランテの母父ルウソヴァージュはリヴァーマンからネヴァーベンドへと遡るナスルーラ系の血脈に属しますが、ネヴァーベンド直仔のミルリーフが71年に勝つと87年に産駒レアレンスポイントが父子制覇を成し遂げ、孫のデイラミは99年に勝利の凱歌を上げました。日本に種牡馬として来ているキングジョージ馬コンデュイット、彼はミルリーフの父系5代目の子孫にあたります。これも立派な“キングジョージ一族”と言えそうです。

ブリランテの母系からも祖母バブルドリームの半弟に菊花賞馬ザッツザプレンティ(父ダンスインザダーク)がおり、長距離の消耗戦に強みを発揮した馬でしたね。ブリランテがハナ差でしのいだダービーのゴール前はそんな血の良さが生きたように思いました。

ところが血統だけならヨーロッパにはこうした馬は普通にいます。問題は競走馬としてどんなレベルに達しているかでしょうが、“アスコットを知る男”矢作芳人調教師の慧眼を信じつつ、明日はそのあたりをおさらいしてみることにします。

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