きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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今週札幌競馬場ではクイーンステークスが行われます。3歳馬、古馬ともに秋の主役争いへ向けたレースで、去年のレースではクビ差しのいで優勝したアヴェンチュラは秋華賞1着、エリザベス女王杯2着と飛躍を遂げました。

2005年。この年のクイーンステークスでは、実力を出し切れずに伸び悩んでいたある1頭の馬が出走しこのレースをきっかけにその後、以前とはまるで別馬のような活躍で周囲をアッと驚かせました。

桜花賞 3着、NHKマイルC 2着で秋への戴冠を狙う3歳馬デアリングハートがこの年のレースでは注目を集めていました。G1レースであと一歩のレースを見せるもいずれも10番人気で、実力が軽視されていたデアリングハートにとりこの年のクイーンステークスは初めて1番人気で迎える重賞レースでもありました。

しかし、秋への飛躍を誓うはずだったデアリングハートは古馬を前に4着に敗れ、代わって当時10番人気だった松永幹夫騎手鞍上のヘヴンリーロマンスが2着になります。ヘヴンリーロマンスはこのレースで何かを掴んだかのように連闘で挑んだ札幌記念で牡馬を一蹴。天皇皇后両陛下のご臨席を賜り施行された秋の天皇賞では、中距離オールキャストのメンバーで14番人気の評価を覆し新たなるヒロインの座に駆け上がったのでした。

今年のクイーンステークスでは秋の巻き返しを狙う春の舞台で人気を背負った3歳馬、古馬が出走。どの馬も秋の指標は確かなだけに、思惑が激しくぶつかり合うレースになりそうです。

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