きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

ようこそ中山へ。

巷では凱旋門賞2着のナカヤマフェスタの話題で持ちきりです。馬主の和泉信一さんに“ナカヤマ”の由来をお聞きしたところ、想像もしなかった答えが返ってきました。

和泉さんは長年、中山馬主協会長の重責を果たされましたが、あるとき協会役員5人が共同で馬を買ったことがあったそうです。

中山馬主協会の役員5人の共同所有だからファイヴナカヤマ、そう名づけられたのが“ナカヤマ”馬名の事始めだそうです。ファイヴナカヤマはアメリカ産のデヴィルズバッグ産駒、母の父がニジンスキーという血統です。

デヴィルズバッグの代表産駒はタイキシャトルが有名ですが、シャトルも母の父がニジンスキー直仔のカーリアンでした。とても似通った血統ですが、真似をしたわけではありません。

シャトルは94年生まれ、ファイヴは91年生まれですから、和泉さんたちに先見の明があったといえるかもしれません。ファイヴナカヤマは重賞こそ勝てませんでしたが、オープンの関越Sなど5勝を上げ、1億円以上稼ぎました。タイキシャトルと比べるのはかわいそうですが立派な成績です。

その後、他の共同所有者が誰も“ナカヤマ”の名を使わないので、それなら、ということで和泉さんが引き継ぐ形になり、ゴーゴーナカヤマ、ハイパーナカヤマなどの活躍馬を経てナカヤマフェスタへと伝承されてきました。フェスタと同じステイゴールドを父に持つナカヤマナイトは、3着、2着から先々週の未勝利戦を勝ち上がっています。フェスタ同様ジワジワと力をつけてくれるといいですね。

さて、毎週水曜は著名人の方に競馬の楽しさを語っていただく『競馬、波乱万丈』をお送りしています。今日はアナウンサーの草野仁さんの第2回目を更新しました。ご覧いただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

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