きょうの蹄音 競馬にまつわるちょっといい話

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先週京都ではエリザベス女王杯が行われましたが、雨降る中での開催は37回目にして初めてのことだったようです。そのせいもあったのでしょう。11日の京都競馬場の入場者数は前年比63.8%、馬券売り上げも88.6%と前年比を大きく割り込む結果となりました。

JRAでは馬券売上の起爆剤として5重勝単勝式のWIN5を2011年4月よりスタートさせました。開始当初は「100円で最高配当2億円のチャンス」のPRに魅力を感じさせましたが、回を重ねても2億円の払い戻しはこれまでわずか1回、キャリーオーバーも2回にとどまっています。先月21日のWIN5の払い戻しは的中票数が多かったこともあり7320円と初の1万円割れを記録しました。2億円の配当を夢見てWIN5を購入したファンには、なんともガッカリさせられる払い戻しだったことでしょう。

馬券の売り上げに大事なことは、既存のファンを大事にしつつ新規のファンを拡大させていくことにほかなりません。2億円の数字がひとり歩きしたWIN5が、どれだけ新規ファンの拡大に貢献したかも、いまとなっては疑問符がつきます。馬柱の見方さえ困難な新規のファンには、単勝、複勝といった馬券でさえも説明を必要とするケースが往々にしてあります。ましてや3連複に3連単、あるいはフォーメーションやマルチなどの買い方などは一度や二度の説明では理解しにくいでしょう。

とりわけ新規のファンには説明不要で購入できる馬券が求められているように感じます。たとえば枠の色で選ぶ馬券でもよいでしょう。新規ファンが馬券的中の喜びを味わい、好きな馬に出会い、競馬の魅力を知りさらに深めていく。それにはまず、配当の魅力もさることながら、馬券の敷居をよりいっそう低くすることが大事に思います。

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